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中外製薬 DLBCLに対するルンスミオとポライビー併用療法で承認取得 ケモフリー時代の幕開けに

公開日時 2026/03/24 04:50
中外製薬は3月23日、再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対するルンスミオとポライビーの併用療法について追加適応の承認を取得したと発表した。両剤の併用療法として同適応の承認は世界初。臨床試験では、患者の約7割で奏効が認められたほか、従来の化学療法と比較して病勢進行または死亡リスクを59%低下させた。メディアブリーフィングに応じた同社オンコロジーライフサイクルマネジメント部オンコロジー領域戦略3Gの青木謙一氏は、「ケモフリーの新しい幕開けを示す治療法だと考えている」と強調した。

ルンスミオ皮下注(モスネツズマブ・遺伝子組換え)は、B細胞上のCD20 とT細胞上のCD3を標的とするように設計されたT細胞誘導バイスペシフィック抗体。細胞傷害性T細胞を介した免疫を活性化し、CD20 を有する腫瘍細胞に抗腫瘍効果をもたらす。一方のポライビー点滴静注用(ポラツズマブ ベドチン・遺伝子組換え)は、ファーストインクラスの抗CD79b抗体薬物複合体(ADC)。がん細胞の細胞膜上に発現するCD79bに結合し、抗がん剤の送達によりこれらのB細胞を殺傷し、正常細胞への影響を抑えると考えられている。

追加適応を取得したDLBCLは、悪性リンパ腫の約30%~40%を占める最も多いタイプで、国内の患者数は約2万3000人から3万2000人程度と推定されている。非ホジキンリンパ腫(NHL)の最も多い病型で、大細胞性B細胞リンパ腫(LBCL)の約80%を占める。初回治療はR-CHOP(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)療法または、ポライビーとR-CHP(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニゾロン)療法とされ、初回治療で寛解が得られた後もDLBCL患者の約30%~40%の患者に再発又は治療抵抗性(難治性)が報告されていた。

◎SUNMO試験 ORRは2剤併用群が69.7%、R-GemOx群は44.1% 

今回の承認は、自家造血幹細胞移植の適応とならない再発または難治性の大細胞性B細胞リンパ腫患者を対象に、リツキシマブ・ゲムシタビンおよびオキサリプラチンの併用(R-GemOx)療法と比較評価した、多施設共同無作為化国際共同第Ⅲ相試験(SUNMO試験)に基づくもの。

中間解析において、主要評価項目である客観的奏効割合(ORR)は、ルンスミオとポライビーの併用群が69.7%(95%信頼区間:60.7~77.8)、R-GemOx群44.1%(95%信頼区間:31.2~57.6)で、両群間の差は25.7%(97.5%信頼区間:7.4~43.9)だった。無増悪生存期間(PFS)は、ルンスミオとポライビーの併用群が11.5か月(95%信頼区間:5.6~18)、R-GemOx群が3.8か月(95%信頼区間:2.9~4.1)。病勢進行または死亡リスクを59%低下させる結果が示された。

安全性プロファイルは、各薬剤の個々の試験のプロファイルと一致していた。有害事象はルンスミオとポライビーの併用群で131/135例(97.0%)、R-GemOx群で61/64 例(95.3%)に認められた。主な有害事象は、注射部位反応71例(52.6%)、好中球減少62例(45.9%)、貧血41例(30.4%)、サイトカイン放出症候群35例(25.9%)などだった。

◎「この治療法が患者さんに灯す新しい光になれるように」 青木氏

今回の承認取得に関し、同社のオンコロジーライフサイクルマネジメント部オンコロジー領域戦略3Gの青木謙一氏はメディアの取材に応じ、ルンスミオとポライビーの併用療法の承認取得について、「ケモフリーの新しい幕開けを示す治療法だ」と強調した。また、すすでにDLBCLの治療にCAR-T細胞療法が用いられていることに触れ、「(施設要件などの制約で)治療を受けられる患者さんは限られてくる。そういうところも加味し、今回の治療法が患者さんにもう一つ大きなオプションを与える薬剤のコンビネーションになる」と説明した。

「ルンスミオ」の名称について青木氏は、月の女神を表す「ルナ」と、CD3とCD20の足し算「サム」、免疫という意味の「IO」を掛け合わせ、「常に患者さんに光を照らせるような薬剤であり続けたいという意味を込めてつけている」と紹介。「この治療法が患者さんに灯す新しい光になれるように進めていきたい」と語った。
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