JCRファーマ・薗田新社長 ベンチャー精神を継ぎ研究投資で成長加速へ バイオ技術を磨き勝負
公開日時 2026/04/01 04:51

JCRファーマの薗田啓之代表取締役社長・チーフサイエンティフィックオフィサーは4月1日の就任に合わせて開催したメディアラウンドテーブルで、「研究開発にできる限り投資する。希少疾患領域に軸足を置き、一番得意なバイオ技術に磨きをかけて勝負したい」と決意を語った。同社は新社長体制の一環として4月から社長直轄組織「先進バイオ研究所」を神戸医療産業都市のクリエイティブラボ神戸内に新設した。薗田社長は、「意思決定を早くできるような形で、新たな研究所を作った。新しいコンセプト、技術を早く作り上げたい」と強調した。
◎薗田社長「研究イコール経営」 新技術開発へ挑戦
「ベンチャー精神を引き継ぎ、大胆な投資をしていけるようにする」―。薗田社長は、芦田信前会長兼社長から受け継ぎたい経営理念について、こう語った。薗田社長は、芦田前会長兼社長の方針を継承し、「研究イコール経営」との考えのもと、今後も研究開発への積極投資で、企業価値の維持・向上を目指す考えを示した。一方で、研究を継続するための「大胆な投資をしていける体制」にも注力する。「トレードオフなところもあるが、ベンチャー精神でやるところと1000人規模の体制を維持するバランスをうまくとる。難しい経営だが、それができないと生き残っていけない」と引き締めた。
社長直轄の「先進バイオ研究所」については、「元々何もなかったところからJ-Brain Cargoを作って成長してきたのと同じことをもう一回やりたい」と語った。具体的には、「新しいコンセプト、技術開発を行い、感覚的にも意識的にも新しいことに挑戦する」とし、素早い意思決定を可能にする計画を明かした。
新組織ではさらに、トップの意思決定に必要な情報収集・整理、経営戦略の策定補助業務などを担う「社長室」を新設。薗田社長は、「研究に今までくらい関わりたいが同じ時間を割くことは難しい」としながらも、研究現場との意思疎通を密接に行う体制を構築し、「研究の方向性やかじ取りができるような工夫をしていきたいと思っている」と語った。
◎主力パイプラインと提携で収益拡大へ
同社では2030年代に売上高1000億円の達成を目標に掲げる。収益拡大の柱として、国内で21年に承認されたイズカーゴ(開発コード:JR-141)と、伊・Italfarmaco社から導入したデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)治療薬Givinostatを挙げた。
JR-141については現在「グローバルフェーズ3の最後の方に差し掛かっており、我々が期待している通りの順調な進捗をしている」と説明。「一刻も早く承認を受けて、我々の収益に貢献してくれることが今一番望んでいることだ」とした。一方で、Givinostatについては、「患者さんのニーズが非常に高く、日本で成功する確度は非常に高いと思っている」との見方を示した。
加えて、技術ライセンスの展開にも注力し、「毎年いくつかの提携が実現するのではないか」と展望を示したうえで、「(1000億円の売り上げは)達成できると思っている」と自信をみせた。