テルモ「RelayPro 胸部ステントグラフトシステム」自主回収(クラスⅠ) 海外で抜去できず3例死亡
公開日時 2026/06/02 04:50
テルモは6月1日、胸部ステントグラフトシステム「RelayPro 胸部ステントグラフトシステム」の自主回収(クラスⅠ)を開始した。デリバリーシステムを体内から抜去できなくなる事象が海外の医療機関で4例起き、このうち3例が術中または術後に死亡に至った。テルモによると、日本国内において当該不具合やそれに起因する健康被害は確認されていないが、「市場で流通している対象品種の中に同様の不具合を有する製品が含まれている可能性を否定できない」として、対象品種全数の自主回収を決定した。回収対象数量は123台、出荷時期は2025年2月 17 日~26年3月3日まで。なお、クラスⅠとは、その製品の使用等により重篤な健康被害または死亡が発生する可能性がある場合に分類される。
RelayProは、胸部大動脈の疾患を血管内から治療するための医療機器。ステントグラフト本体と、ステントグラフト本体を病変部に送達するためのデリバリーシステムが一体となった構造で、本体を病変部で展開した後、デリバリーシステムから分離して血管内に留置するもの。今回、ステントグラフト本体の展開後にデリバリーシステムと本体を適切に分離できず、デリバリーシステムを体内から抜去できなくなる事象が、海外の医療機関において4例報告された。当該不具合との直接的な因果関係は現時点では明らかになっていないという。
テルモは、不具合が発生した場合、「ステントグラフトのリリースが困難となり、手技の遅延、ステントグラフトの位置ずれ、又はステントグラフトのリリース不能等が生じる可能性がある」と説明。「その結果、外科的介入を要する場合があり、重篤な健康被害に至るおそれがある」と注意喚起している。
同社は海外事例の報告を受け、3月27日から対象品種の出荷停止の案内を開始し、4月1日に出荷を停止していた。4月16日から国内の全納入先に対象品種の使用中止を通知しており、現時点で国内での健康被害は報告されていない。今回の自主回収は、「患者さんの安全確保に万全を期すための追加措置として実施する」としている。なお、国内の納入施設は、18施設(医療機関12施設、関連物流施設6施設)。