NPhA 軟膏容器の調達「1週間以上の遅れ」9割 中東情勢に伴う調剤資材への影響調査
公開日時 2026/07/10 04:51
日本保険薬局協会(NPhA)は7月9日の定例会見で、中東情勢に伴う調剤関連資材等への影響に関する実態調査結果を報告した。多くの資材で調達リードタイムが長くなっており、「1週間以上の遅れ」との回答割合が、軟膏容器で約9割、水剤ボトルや分包紙でも7割以上となった。一方で、資材が一律に入手できない状況ではなく、薬局間・店舗間での在庫調整や資材の節約など対応が取られている状況がみられたという。調査結果を踏まえ、NPhAの石井僚特任部長は「過度な不安や過剰発注は流通の偏りや目詰まりを招く可能性があるため、引き続き落ち着いた行動と適正発注が重要だ」と呼び掛けている。
調査はオンラインで6月15日~7月3日に実施。中東情勢・ナフサ供給不安に伴う調剤関連資材の調達遅延、在庫状況、現場対応の実態把握を目的として、5466薬局から回答を得た。
調達リードタイムを尋ねた設問では、「軟膏容器(軟膏壺)」で「著しい遅れがある(2週間以上)」が80.8%、「遅れがある(1~2週間程度)」が8.7%を占め、これらを合わせた「1週間以上の遅れ」との回答割合は89.5%と選択肢の中で最も高かった。次いで、「水剤ボトル(投薬瓶)」では76.0%、「錠剤・散剤等一包化機器の分包紙」では75.4%に上った。このほか、「計量カップ・投薬用スポイト」は69.4%、「点鼻・点眼容器」は63.8%、「錠剤・散剤等一包化機器のインクリボン」は60.0%だった。
在庫量でみると、「1カ月未満」との回答割合は軟膏容器で39.3%、分包紙で38.1%となった。一方で、調達において通常通り入手しているとの回答も一定数あり、「資材が一律に入手できない状況ではなく、在庫状況を確認しながら納品までの対応を行っている」と分析した。
◎「薬局間での在庫調整」6割 「資材の節約」は約半数 患者や医療機関と連携した対応も
具体的な薬局における対応や対策では、「薬局間での在庫調整」が62.8%、「資材の節約」が47.8%と回答割合が高かった。包装単位での処方に切り替えて容器への移し替えを減らすなど「処方医の連携」(25.5%)や容器の再利用など「患者への協力呼びかけ」(28.9%)といった患者や医療機関と連携した対応もみられた。
また、資材以外への影響を自由回答で尋ねたところ、医薬品供給や出荷調整への波及や、価格高騰・コスト負担への懸念の声が寄せられた。石井特任部長は「長期化すれば懸念が顕在化する心配の声はあったが、現時点で広範な影響の顕在化は確認されなかった」と述べた。