中東情勢対策本部 医療物資等の供給不安で相談は543件 上野厚労相「流通の目詰まりを丁寧に解消」
公開日時 2026/04/10 04:51

厚生労働省と経済産業省が設置した「中東情勢の影響を受ける医薬品、医療機器、医療物資等の確保対策本部」は4月9日、厚労省内で会合を開き、石油関連製品の供給不足に伴う相談が8日までに543件寄せられたと報告した。このうち、「安定供給に影響がある」と判断されたのは16件。うち6件は「解決済み」または「解決の道筋が立っている」という。上野賢一郎厚労相は、「流通段階の目詰まりを丁寧に解消していくことで医療物資等の安定供給につながる。引き続ききめ細やかな情報把握とあらゆる可能性を排除しない対応策の検討を進めて国民の命と健康を守り抜いていく」と述べた。
会合は非公開で行われ、会合後に両省担当者が報道陣の取材に応じた。会合後の説明によると、対策本部ではメーカーや卸業者向けの相談窓口を4月2日に設置。7日には医療機関向けの窓口を開設した。医療機関に対しては126施設を対象に定点観測を実施しており、10日からはEMISを用いてオンラインによる随時報告システムの運用を始める。
◎透析回路や手術廃液容器、医療用手袋など10件は「対応検討中」
情報提供窓口に寄せられた相談は8日時点で543件。安定供給に影響があると判断されたのは16件だった。このうち、小児カテーテルやシリンジ(注射筒)、滅菌等に使う酸化エチレンガスなどの5件は「解決済み」、1件は「解決の道筋が立っている」とした。「対応検討中」の10件には、透析回路や手術廃液容器、医療用手袋が含まれるとしており、「詳細な状況をメーカーから把握している段階。アジア各国で生産されているものもあり、そうした状況を踏まえた対応を検討していく」(厚労省)とした。
政府に寄せられる供給不安の中には、サプライチェーンの川上から川下に情報が伝わっていく中で、あいまいなやり取りや認識のずれが生じているケースもあるという。経産省担当者は、流通(川中)製品の在庫の活用や国内生産により「化学製品全体では少なくとも国内需要4ヶ月分を確保している。さらに中東以外からのナフサ輸入の増加などで在庫消費期間は半年以上に伸びる」との見通しを示した。
対策本部は、中東情勢に影響を受ける医薬品、医療機器、医療物資等の確保に向け、安定供給上の課題の分析や対応策の検討を始めとした総合的な対応を図るために、上野厚労相と赤澤亮正経産相を本部長として設置された。3月31日に初会合が開かれ、今回が2回目となる。