NPhA 「薬局・薬剤師ビジョン2040」を策定 DXと人が融合した「信頼できる医療インフラ」を目指す
公開日時 2026/04/13 04:50

日本保険薬局協会(NPhA)は4月9日、2040年に向けた薬局や薬剤師のあるべき姿を示した「薬局・薬剤師ビジョン2040」を策定した。ビジョンでは、データやデジタル技術によって薬物療法の安全性が担保され、不安を感じた時には必ず薬剤師が寄り添う姿を描き、「『DX』と『人』が融合した世界で最も信頼できる医療インフラ」を目指すとした。NPhAの田中義寛常務理事は、「医療DXの進展により、薬剤師がデータを活用して薬学的な管理をする、いわば“医薬分業の第2フェーズ”がやってくる。国の評価体系も立地や集中率にこだわるのではなく、『何を患者さんに提供したのか』というアウトカム(成果)で評価する制度設計を実現してほしい」と訴えた。
「薬局・薬剤師ビジョン2040」は、医療DXの進展や人口構造の変化など医療を取り巻く環境が大きく変化する中で、薬局・薬剤師のあるべき姿や地域での役割を中長期的な視点で捉えようと策定された。厚労省が2015年に策定した「患者のための薬局ビジョン」から10年が経ち、かかりつけ機能や対人業務へのシフトが進展する中で新たな価値を提供してきた一方で、「現在の変革スピードは将来推計される医療需要のひっ迫に対し、十分とは言い難い」と説明。その上で、「強靭な医薬品供給インフラ」を維持しつつ、「対人業務」を充実させるという「二つの重責を同時に果たす必要がある」とした。
◎2040年に向けたあるべき姿 「立地に依存しない質の高い機能提供と成果創出」目指す
2040年に向けたあるべき姿については、「基盤の強化」「機能の強化」「役割の深化と分化」の3つの観点でまとめた。基盤の強化では、医薬品の安定供給を前提とした上で、医療DX・AI・ロボティクスの活用や情報基盤の強化、セキュリティの担保を通じた「社会的インフラとしての強靭な基盤の確立」を目指すとした。
機能の強化では、薬剤師という専門性の発揮に加え、「立地に依存しない質の高い機能の提供と成果の創出」を柱に掲げた。これからの薬局・薬剤師の役割として、「共有された客観的データと対話による主観的情報を組み合わせ、患者がどこにいても最適な薬学的管理の提供が求められる」と強調。評価体系にも言及し、「従来の立地や集中率といった外形的な基準に固執するのではなく、提供された機能の質や成果を正当に評価する体系へと移行すべきだ」と主張した。
役割の深化と分化では、地域医療や介護をつなぐハブとしての役割や、未病・予防に貢献するファーストアクセスの場としての機能の確立を掲げた。また、一つの薬局単独で完結するのではなく、特定の専門領域に特化したり、地域特性に合わせて機能を発揮したりするなど相互の連携や補完する体制構築が重要になるとした。
こうした観点を踏まえつつ、「全国どこでも等しく安全・安心な医療が受けられる社会」と「患者自身が選択し、納得して医療を受けられる社会」を目指す社会像と定義。2040年への決意として「社会インフラとしての責任を引き受け、行動し、進化し続けることを誓う」と宣言した。