米リリー バイオ医薬品企業アタイベックリーを最大38億ドルで買収 「BPL-003」の大型化に期待
公開日時 2026/07/21 04:51
イーライリリー・アンド・カンパニーは7月16日、精神疾患領域で革新的治療薬を開発するバイオ医薬品企業AtaiBeckley(アタイベックリー)を最大38億ドル(初期投資28億ドル)で買収すると発表した。同社は複数の臨床段階プログラムと次世代化合物の創薬パイプラインを有する。特に、「BPL-003」(Mebufotenin benzoate)は、治療抵抗性うつ病(TRD)の治療薬で、潜在患者数は米国だけで約300万〜500万人、世界全体で約1億人との推計もあり、上市後の市場インパクトは極めて大きい。
BPL-003は第2b相臨床試験において、平均約2時間のクリニック受診後、うつ症状の迅速かつ持続的な軽減を示し、その有益な効果は数か月間持続したという。米FDAからブレークスルーセラピーの指定を受けており、現在は第3相試験を開始している。一方でアタイベックリー社の2番目の開発パイプラインである「VLS-01」は、TRD向けの経口フィルム型DMT(N,N-ジメチルトリプタミン)製剤で、現在第2b相臨床試験が進行中。
米リリーのスリニヴァス・ラオアタイベックリーの共同創設者兼最高経営責任者は、「リリーの専門知識と影響力は、既存の治療法に反応しない患者のための研究を加速させるものと期待される」と強調。開発中のBPL-003に強い期待を寄せた。一方、アタイベックリーのクリスティアン・アンガーマイヤー取締役会長(創業者)は、「リリーに加わる我々の開発パイプラインと、それを待つ患者は、リリーが持つリソースと規模の恩恵を受け、単独で行うよりも早く治療法を進展させることができる可能性がある。この取引は、患者と株主にとって最善の道であると確信している」とコメントした。