大阪けいさつ病院・大森医師 テビムブラの進行・再発胃がん「PD-L1発現症例や腹膜播種症例」の選択肢に
公開日時 2026/08/21 04:51

大阪けいさつ病院の大森健消化器外科主任部長は8月20日、進行・再発の胃がんを適応追加した免疫チェックポイント阻害薬・テビムブラ(チスレリズマブ)について、「PD-L1発現が高い症例や腹膜播種を伴う症例に対して新たな治療選択肢として期待できる」と強調した。ビーワン・メディシンズが同日開催したメディアセミナーで、同剤の国際共同第3相試験を踏まえた胃がん治療における位置づけについて見解を述べたもの。なお、テビムブラは6月に治癒切除不能な進行・再発の胃癌に関する適応追加の承認を取得している。
抗PD-1抗体テビムブラは、PD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との結合を阻害することで腫瘍特異的T細胞の活性化と増殖を促進し、抗腫瘍免疫応答を増強する。また、マクロファージ上のFcγ受容体への結合を最小化するよう設計されており、T細胞機能の維持に寄与する可能性があるとされている。
テビムブラ+化学療法群とプラセボ+化学療法群の2群間比較を行った国際共同第3相試験(RATIONALE-305試験)では、主要評価項目である「TAP(腫瘍面積陽性)≧5%集団及びITT集団における全生存期間(OS)」は、いずれの集団も、テビムブラ+化学療法群は対照群(プラセボ+化学療法)に対して統計学的に有意な延長が認められた(ITT集団:ハザード⽐0.80、95%信頼区間0.70-0.92、TAP≥5%集団:ハザード⽐0.74、95%信頼区間0.59-0.94)。テビムブラ+化学療法群の主な副作⽤(発現率30%以上)として悪⼼(47.6%)や⾷欲減退(36.5%)、⾎⼩板数減少(35.1%)、好中球数減少(33.7%)、嘔吐(32.3%)、貧⾎(31.7%)が認められた。
大森医師は国際共同第3相試験において、TAP≧10%集団や腹膜転移を有する患者集団でも良好なデータが得られた点に着目。腹膜転移は原発巣に比べてマクロファージが多く、免疫環境が抑制的に働くとのデータを示した上で、テビムブラ独自の作用機序を踏まえて「腹膜転移が層別化因子に入った上で(第3相試験の)データが得られたことは非常に重要だ」と指摘した。