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2012年世界のブロックバスター 抗がん剤15製品ランクイン 疾患別で最多 ミクス調べ

公開日時 2013/06/21 05:05

ミクス編集部はこのほど、製薬企業の決算資料を基に、2012年の世界売上10億ドル以上のブロックバスター製品をまとめた。ブロックバスターは116製品あり、売上トップは抗リウマチ薬で抗体医薬のヒュミラ(アッヴィ(旧アボット))の92億6500万ドル(前年比17%増)だった。疾患領域別でみると、ブロックバスターが最も多かったのは抗がん剤の15製品で、これに次いで降圧剤9製品、HIV感染症治療薬7製品、喘息/COPD治療薬7製品――となった。今回は可能な限り単剤と配合剤の売上を分けて集計した。

編集部は2月8日付ニュースで、2月7日までに発表のあった欧米グローバル製薬企業の決算資料から世界売上上位10製品をまとめたが、今回は、日米欧の製薬企業26社の決算資料からブロックバスター製品をリスト化した。日本企業と米フォレスト・ラボラトリーズ社を除く全社が12年1-12月業績、日本企業とフォレスト社は12年4月-13年3月業績で、各社の製品売上を米ドル換算した。集計対象の製薬企業や12年のブロックバスター製品リストの資料は、こちらなお、ミクスOnline有料会員向けに以下の「関連ファイル」からExcelファイルなどをダウンロードできる。

まず売上上位10製品をみると、バイオ医薬品が7製品、低分子医薬品が3製品だった。バイオ医薬品のうち抗体医薬はヒュミラ、抗がん剤リツキサン(ロシュ、3位、71億5200万ドル)、抗がん剤ハーセプチン(ロシュ、5位、62億8000万ドル)、抗がん剤アバスチン(ロシュ、7位、61億4600万ドル)、抗リウマチ薬レミケード(ヤンセン、8位、61億3900万ドル)――の5製品。これ以外のバイオ医薬品はインスリン製剤ランタス(サノフィ、4位、63億7400万ドル)、G-CSF製剤ニューラスタ/ニューポジェン(アムジェン、9位、53億5200万ドル)――となる。一方で、トップ10入りした低分子医薬品は喘息治療薬アドエア(GSK、2位、79億9600万ドル)、高脂血症治療薬クレストール(アストラゼネカ、6位、62億5300万ドル)、抗精神病薬エビリファイ(大塚製薬、10位、52億8400万ドル)――で、日本企業の創製品ではエビリファイのみトップ10入りした。

11年まで世界売上トップだった高脂血症治療薬リピトール(ファイザー)は米国での11年11月末の特許切れの影響が大きく、前年比59%減、売上39億4800万ドルで19位に後退した。

次に企業別にブロックバスター数を集計すると、トップはメルクの11製品で、次いでファイザー10製品、ノバルティスとイーライリリーが各8製品、ロシュ、アストラゼネカ、ヤンセンが各7製品――だった。日本企業では武田薬品の4製品が最多で、アステラスとエーザイが各2製品、大塚と第一三共が各1製品だった。

メルクで売上トップ製品は、40億8600万ドルを売り上げたDPP-4阻害薬ジャヌビア(17位)で、メトホルミンとの配合剤ジャヌメット(52位)の売上を加えると、ジャヌビアファミリーで売上57億4500万ドルとなる。ファイザーの売上トップ製品はリピトールに代わって疼痛治療薬リリカ(16位、41億5800万ドル)、ノバルティスは抗がん剤グリベック(12位、46億7500万ドル)、リリーは抗うつ薬サインバルタ(11位、49億9400万ドル)だった。

抗がん剤売上トップ3 すべてロシュ製品に

疾患領域別にブロックバスター数を見てみる。最も製品数が多かったのは抗がん剤で、同領域の売上トップ3製品は悪性リンパ腫治療薬リツキサン、乳がん等治療薬ハーセプチン、大腸がん等治療薬アバスチンとロシュ製品が独占した。

4位以下は、白血病治療薬グリベック、肺がん・悪性胸膜中皮腫用薬アリムタ(リリー、32位、25億9400万ドル)、大腸がん・乳がん治療薬ゼローダ(ロシュ、55位、16億2400万ドル)、多発性骨髄腫用薬ベルケイド(ヤンセン、67位、15億ドル)、前立腺がん等治療薬リュープリン(武田薬品、74位、14億400万ドル)、肺がん等治療薬タルセバ(ロシュ、75位、14億100万ドル)、腎がん等治療薬スーテント(ファイザー、91位、12億3600万ドル)、大腸がん等治療薬エロキサチン(サノフィ、93位、12億2800万ドル)、大腸がん・頭頸部がん治療薬アービタックス(メルクセローノ、99位、11億4000万ドル)、前立腺がん・乳がん治療薬ゾラデックス(アストラゼネカ、103位、10億9300万ドル)、白血病治療薬スプリセル(BMS、111位、10億1900万ドル)、腎がん・肝がん治療薬ネクサバール(バイエル、112位、10億1800万ドル)――となる。

降圧剤の上位はすべてARBで、同領域売上トップはディオバン/コディオの44億1700万ドル(ノバルティス、14位)だった。なお降圧剤の売上は、ほとんどの企業がARB単剤と利尿薬ヒドロクロロチアジドとの配合剤をセットにして発表しており、今回の集計でも、単剤売上に利尿剤との配合剤の売上を加えてランキングにしている。

HIV感染症治療薬ではギリアド・サイエンシズのアトリプラ(24位、35億7400万ドル)、ツルバダ(26位、31億8100万ドル)が同領域の売上1位、2位を占めた。インスリン製剤では売上トップがサノフィのランタス(4位)で売上63億7400万ドル。喘息・COPD治療薬の売上トップはGSKのアドエア(2位)で、2位に主にCOPDに用いられるベーリンガーインゲルハイムのスピリーバ(13位、45億7700万ドル)となった。

なお、ミクスOnline有料会員向けに、12年のブロックバスター製品リストのほか、ブロックバスターの企業別製品数、疾患領域別の製品数及び領域別の製品リスト(トップ10領域)、ブロックバスター製品のエクセルデータを公開します。以下の「関連ファイル」からダウンロードできます。
 

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