2011年から5年間で、最も上昇率が高かったのは、関節リウマチ治療薬Humiraであることが分かった。米ロイター通信が調査会社IMS HealthおよびTruven Health Analyticsのデータを基礎に上昇率トップ製品10をランキングとしてまとめ、4月4日に発表した。米国では医薬品価格の上昇が低所得者や高齢者への医薬品アクセスの障害になっていると、しばしば社会問題化している。

上昇率トップ10は以下の通り。製品名（一般名）、会社、2010年12月31日価格、現在価格（上昇率）の順。

①関節リウマチ治療薬Humira 40mg/0.8mlプリフィルドシリンジ（日本製品名：ヒュミラ、アダリムマブ）、アッヴィ社、1679．98ドル、3797.10ドル（126.4％増）

②関節リウマチ治療薬Enbrel　50mg/ml 皮下注用液剤（日本製品名：エンブレルエタネルセプト）、アムジェン社、427.24ドル、932.16ドル（118.2％増）

➂パーキンソン病治療薬Copaxon 20mg/ml皮下注用液剤(日本製品名：コパキソン、グラチラマー)、テバ・ファーマシューティカルズ社、3025.04ドル、6593.00ドル（118.0％増）

④高脂血症薬Crestor 10mg錠（日本製品名：クレストール、ロスバスタチン）、アストラゼネカ社、350.17ドル、745.41ドル（112.9％増）

⑤統合失調症治療薬Abilify　10mg錠（日本製品名：エビリファイ、アリピプラゾール）、大塚製薬、454.07ドル、891.97ドル（96.4％増）

⑥糖尿病治療薬Lantus Solostar100単位/ml皮下注用液剤（日本製品名：ランタス、インスリングラルギン）、サノフィ社、191.96ドル、372.96ドル（94.2％増）

⑦Advair Diskus 250/ 50吸入ディスク （日本製品名：アドエア、サルメテロール/フルチカゾン）、グラクソスミスクライン社、199.90ドル、334.63ドル（67.4％増）

⑧関節リウマチ治療薬Remicade 100mg点滴静注液用粉末（日本製品名：レミケード、インフリキシマブ）、ジョンソン・エンド・ジョンソン社：J&J）、657.87ドル、1071.48ドル（62.9％増）

⑨G-CSF製剤Neulasta 6mg/0.6ml皮下注液剤（日本製品名：ジーラスタ、pegfilgrastim）、アムジェン社、3320ドル、5155.65ドル（55.3％増）

⑩抗潰瘍剤Nexium 10mg経口剤（日本製品名：ネキシウム、エソメプラゾール）、アストラゼネカ社、162.55、250.94ドル（54.4％）

一部企業は、ロイターの取材に対して、この価格は、リベートや値引き額を考慮しておらず、実態を反映していないと指摘している。一方、複数のPBM（薬剤給付管理会社）は、このトップ10薬剤については、毎年10％程度上昇した価格で支払っていると説明している。