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厚労省 ハーボニー偽造品問題で流通ルート特定 健康被害なしを確認

公開日時 2017/02/02 03:51

厚生労働省医薬・生活衛生局は2月1日、C型肝炎治療薬・ハーボニー配合錠の偽造品が混入した流通ルートを特定した。都内の卸売販売業者1社が偽造品を購入、その日のうちに複数の卸売販売事業者を経由し、奈良県内に店舗を構える調剤チェーン・関西メディコに納入されていた。この日までに東京都内の卸売販売業者から新たに発見された1ボトルを加え、偽造品は計15ボトルとなった。厚労省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課の伊澤知法課長は同日の会見で、「薬事監視の観点からはやりつくした。このルートに関しては、さらなる偽造品はほぼない」と述べた。また、偽造品には、ソバルディ錠や、市販のマルチビタミンや漢方薬・小青龍湯が混入していることも判明。偽造品を服用した患者はおらず、健康被害がないことを確認した。

関西メディコは2015年5月以降、ギリアド・サイエンシズが取引する正規ルート(スズケン、東邦薬品、葦の会)以外のいわゆる現金問屋を通じてハーボニー配合錠を入手していた。偽造品は、東京都の現金問屋を通じ、2つのルート、5つの現金問屋を介して流通(図参照)。いずれの現金問屋も納入されたその日の転売されている流通実態も明らかになった。持ち込まれた偽造品は、添付文書や外箱がなく、裸のボトルの状態だった。偽造品流通の発端となった東京都の現金問屋は、卸売販売業の許可を得ていない個人から偽造品を入手したとみられている。ただ、本来購入先の氏名や日付などの記した譲受譲渡記録を保管する義務があるが、この義務を怠っており、誰から購入したか特定ができないとしている。添付文書がない状態での流通や、譲受譲渡記録の保管義務違反については、いずれも薬機法違反に該当する可能性がある。警視庁や奈良県警も捜査を開始しているが、厚労省が行う薬事監視の観点での調査はいったん終結することになる。


◎国内でビタミン、漢方薬を混入か



厚労省はこの日、偽造品の成分を分析した結果を発表。分析したのは、奈良県内で発見された4事例5本と、都内で発見された1本、計6本。その結果、①マルチビタミン28錠(2本)、②ソバルディ錠21錠と小青龍湯(薄い紫色の錠剤)29錠が混在、③ソバルディ錠28錠、④ハーボニー配合錠20条と、ソバルディ錠8錠、⑤マルチビタミン28錠――だった。混入したマルチビタミン、小青龍湯はともに市販されており、国内で容易に入手が可能。ボトルが正規品であることから、厚労省は国内で中身を詰替えたとみている。


また、関西メディコが正規ルート以外から仕入れを始めた昨年5月以降にハーボニー配合錠の調剤を受け、服用した62人の健康状態を調査。偽造品の服用は認められず、服用を終えた患者からC型肝炎ウイルスは検出されなかった。そのため、厚労省は偽造品を受け取った患者は、偽造品の発覚につながった最初の1人のみであったとみており、今回の流通ルートで偽造品を服用したケースはないことが確認されたとしている。
 

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