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メディパルHD JCRの筆頭株主に 英GSKから22%分の株式取得、211億円で

公開日時 2017/09/22 03:52

メディパルホールディングスとJCRファーマは9月21日、業務資本提携契約を締結すると発表した。併せてメディパルは、JCRの筆頭株主である英グラクソ・スミスクライン(GSK)との間でJCR株の譲渡契約を締結、結果としてメディパルがJCR株22%超を保有する筆頭株主になる。メディパルとJCRはこれまでも国内初の他家由来再生医療等製品「テムセルHS注」などで提携しており、「長期的視点に立った両社のさらなる企業価値の向上、そして持続的な発展を図る」ため、今回の業務資本提携に至ったとしている。

メディパルがGSKからJCR株22%分を取得するのは、関係当局の審査完了を条件に、10月下旬を予定している。取得金額は211億円になる見込み。

メディパルは新規事業のひとつとして、希少疾病用医薬品などへの研究開発投資とその承認取得後の独占販売を担う「プロジェクトファイナンス&マーケティング」(以下、PFM)を展開している。テムセルはその第一号製品であり、JCRは最初のパートナーだった。PFMを社会的意義の高い事業として今後も継続する中で、JCRとのこれまでの提携関係を深耕し、より強固なものにすることにした。

一方で、JCRはこの日、GSKとのバイオ医薬品事業に関する包括契約の見直しも発表した。この中で、希少疾患のライソゾーム治療酵素製剤2品目のバイオシミラーの協業プログラムでGSKが持つ殆どの権利をJCRに返還するとともに、GSKが保有するJCR株25%相当のうち22%をメディパルに売却し、残り3%をJCRによる自己株取得に応募することを明らかにした。これにより、JCRとGSKとの資本関係はなくなる。メディパルはもともと保有しているJCR株0.46%を合わせて、22.46%を保有する筆頭株主になる。

■希少疾病への取組み方針が変化

JCRとGSKとの包括契約の見直しでは、ライソゾーム病治療酵素製剤2品目のうちのひとつで国内申請準備中のファブリー病治療酵素製剤「JR-051」は、国内の共同開発権を除くすべてのGSK保有の権利をJCRに返還する。もう1品目のハンター症候群治療酵素製剤「JR-032」はGSKが保有するすべての権利をJCRに返還する。両剤の契約見直しにかかる経済条件は開示していない。

この見直しの理由についてJCR広報部は本誌取材に、「協業プログラムで成果が得られたことから、両社合意のうえ、業務提携の内容を修正することにした」としたうえで、「GSKの希少疾病に対する方針や目指すところが当社と違ってきた」とも語った。

これは、GSKが今年7月に、▽呼吸器▽HIVを含む感染症▽オンコロジー▽免疫・炎症性疾患――の4領域に注力する方針を発表し、これまで注力領域のひとつに位置付けていた「希少疾患」が姿を消したことを指す。ただ、GSK日本法人広報部は本誌取材に、「これら4領域に関連する希少疾患は手掛けていく」と述べ、希少疾患すべてから撤退したわけではないと強調した。

GSKとJCRが協業していたファブリー病やハンター症候群といった先天性代謝異常は、これら4領域には含まれない。両社間に微妙に方向性のずれが生じた可能性があり、これが今回の3社による大がかりなスキーム変更に発展したと考えられそうだ。

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