キョーリン製薬・穂川社長 キプレスクリフの「底が見えた」 新薬群の売上比率、19年度に50%超に回復

公開日時 2018/05/14 03:51
  • Twitter
  • 印刷

キョーリン製薬ホールディングスの穂川稔社長は5月11日、東京都内で開いた2018年3月期(17年度)決算説明会で、16年度に特許切れした主力品の気管支喘息治療薬キプレスの“パテントクリフ”について、「(17年度に)クリフの底が見えた」と述べるとともに、新薬や新製品による再成長に自信をみせた。19年度には新薬群の売上比率がキプレス特許切れ前の15年度並みまで回復すると説明した。

同社は、「新薬の落ち込みは、新薬で取り戻す」(穂川社長)との方針で取り組んでいる。15年度に56%だった売上に占める新薬群比率は17年度に29%まで落ち込んだが、18年度は41%、19年度は「50%以上が見えてきた」(同)という。この新薬群比率は、杏林製薬で自社販売している医療用医薬品売上を分母にした新薬の売上比率のこと。

■発売計画 18年度に過活動膀胱薬ビベグロン、19年度早期に経口抗菌薬KRP-AM1977X

18年度以降の成長ドライバーと位置付けるのは、喘息治療薬フルティフォーム、抗アレルギー薬デザレックス、18年8月から単独販売する定量噴霧式アレルギー性鼻炎治療薬ナゾネックス、18年度発売予定の過活動膀胱治療薬ビベグロン(17年9月申請)、19年度早期の発売を見込む経口キノロン系合成抗菌薬KRP-AM1977X――など。

このうちKRP-AM1977Xは17年4月に申請したが、追加の非臨床試験を求められ、審査がストップしていた。穂川社長はこの日、「宿題にほぼ答えられ、審査が再開した」と明らかにし、「当初計画の1年遅れとなる19年度早期の上市を目指したい」と述べた。

販売体制のあり方については、今後数年間はGP(開業医)市場主体の製品構成となることから、「販売体制を大きく変える時期ではない」との認識も示した。ただ、「将来を考えると手を付けていかざるを得ないと思っている」とも述べ、薬価制度を含む市場全体の動きを踏まえて検討していく構えもみせた。

■新規抗アレルギー薬デザレックス 耳鼻科での処方獲得率1位目指す

新薬群の普及最大化や新製品の計画通りの上市が業績のV字回復に不可欠となる。フルティフォームは18年度薬価制度抜本改革のルール見直しで新薬創出等加算から外れ、5.9%の薬価引下げを受けた。ただ、18年度は数量ベースで12%程度増加させ、売上123億円、前年度比4%増を目指す。中枢から末梢移動まで肺全体への良好な薬剤分布が期待できるとの特長の浸透に取り組む。

16年11月に発売した抗ヒスタミン薬デザレックスは効果の高さや眠気の少なさなどを訴求、同社が強みを持つ耳鼻科での処方獲得率は早くも2位という。穂川社長が「耳鼻科に強い営業力の意地をみせられた」と話すほどで、18年度に耳鼻科での処方獲得率1位を目指すと表明した。18年度は81億円、前年度比65%増を見込む。当初の想定以上に市場での受け入れが進んでいることから、ピーク時売上119億円(発売4年後)との当初計画は「かなり大きく上回ると感じてる」とも語った。

ナゾネックス点鼻液の単独販売権をこのほどMSDから取得した。キョーリンは18年度に101億円の売り上げを見込む。アレルギー疾患に用いるデザレックスやキプレスとの相乗効果に加え、次期主力品のひとつと位置付けるKRP-AM1977Xの上市遅れによる業績影響をナゾネックスでカバーするねらい。キョーリングループではナゾネックスAGの承認を取得しており、今回、先発品も販売することで、AG投入をスムーズにさせるねらいもある。AG投入時期は明らかにしていない。

β3受容体作動薬に分類されるビベグロンは、特に夜間頻尿に対する効果を訴求ポイントに据える構え。キッセイ薬品と共同開発し、共同販売する。穂川社長は「キッセイ薬品と協力し合い、(β3受容体作動薬のファーストインクラス薬の)ベタニスに追いつき、追い越せというふうに取り組みたい」と強調した。

キョーリン製薬HDの17年度業績、18年度業績見込みの記事は、こちら(5月11日付で既報)

関連ファイル

関連するファイルはありません。

 

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(3)

1 2 3 4 5
悪い   良い

 

 

広告

広告

広告

広告

広告

広告

市場に密着した医薬情報&マーケティング誌

  

8月号特集
(Promotion)

本誌集計 18年度下期 新薬開発パイプラインリスト

新規血友病薬、臓器横断の免疫療法、CAR-T療法など

 

 

8/1発行

バックナンバー

 

ミクス編集部のtwitter

 

ミクスOnlineのモバイルサイトは下記QRコードよりアクセスしてください

QRコード

http://mobile.mixonline.jp/