Meiji Seika・小林社長 後発品、最低薬価でも長期に安定供給 ローコストオペレーションを徹底

公開日時 2018/05/30 03:51
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Meiji Seikaファルマの小林大吉郎社長は5月29日、東京都内で開いた専門誌・紙を対象とした記者懇談会で、後発品事業に関して、「どのような薬価改定であっても提供し続ける」と述べ、薬価が加速度的に引き下げられて後発品が最低薬価になったとしても、長期にわたって安定供給していくと強調した。

開発・生産段階からの取扱い製品の絞り込みのほか、インドの生産子会社メドライク社での廉価な原薬の安定調達及び製造、生活習慣病領域の後発品などをMRを配置せずに取り扱うMeファルマ――によってローコストオペレーションを徹底し、長期の安定供給を実現する。

小林社長は、「薬価制度改革による薬価の加速度的な引き下げが進む」と今後の市場環境を見通した上で、「新たな競争環境が出現する。必ずしもリスクばかりではなく、どのように戦うかの事業機会と考えている」と話した。例えば、高齢者人口の増加とともに疾病リスクが拡大している日本やアジア各国で医療に必要不可欠な医薬品の安定供給ニーズが「爆発的に増える」としてそのニーズに応えていくことや、受託製造の機会拡大につなげていく考え。

■薬価下がっても利益得る後発品のビジネスモデル 「非常に受け入れられている」

梅木祐仁医薬営業本部長は、「コストを抑えることで我々、特約店、ユーザーそれぞれに利益を得てもらう。今後、薬価がどんどん下がったとしても利益を得られるという後発品のビジネスモデルが、特に4月以降、非常に受け入れられてきている」と語った。MRを配置しないMeファルマの事業方針や取り組みに手応えを示した格好だ。

そして、「18年度薬価制度抜本改革は我々が目指していた新しいビジネスモデルにマッチする。想定よりも早く来たと思っている」とも語り、ローコストオペレーションの徹底に先んじて取り組んだことが、後発品事業で競争優位に働くとの見方も示した。

■小林社長 AG参入に消極的 長期の生産継続・安定供給に疑問

同社では主力品の抗うつ薬リフレックスが18年度中に特許切れし、18年12月にも後発品が参入する。同剤の17年度売上は197億円で、同社の売上トップ製品。20年度を最終年度とする3か年の中期経営計画では、リフレックスの減収で新薬事業の売上は縮小するものの、成長ドライバーに後発品とバイオシミラーを位置づけ、最終20年度に連結で売上1900億円(18年度計画1700億円)、営業利益150億円(同100億円)――と成長軌道を描いている。20年度の後発品事業の売上目標は650億円、17年度実績比で39%増を目指す(既報、記事はこちら)。

小林社長は20年度目標の達成見通しについて、「トップライン(売上)は大丈夫。むしろボトム(利益)のところに原価低減、原材料の高騰の不安があり、安価な原薬の安定調達でクリアしないといけない。トップラインよりボトムの達成が課題」と説明した。

他社先発品のAGを手掛けるかどうかについては、「事業戦略の主たる選択肢になっていない」と消極的で、ローコストオペレーションの要となる自社生産ができないことを理由に挙げた。そして、「(AGは)短期的に大きなシェアを取れるが、治療薬として長く必要なものについて、生産継続、安定供給できるかといえば、私はそうは思わない」と指摘し、他社先発品のAGの長期的な安定供給に疑問符を付けた。

日本では注射用抗菌薬の後発品は既に成分ごとに寡占化が進んでおり、例えばスルバシリンの同社の成分内数量シェアは68%(先発品7%)、バンコマイシンは同74%(7%)、タゾピペは同41%(33%)――といずれも同社がトップシェアという。小林社長は「これらは救命救急やAMR(薬剤耐性)における中核的な治療薬だが、明日から供給できないとなると日本の感染症治療が頓挫する。収益ではなく、感染制御の基盤をしっかり守るというところもしっかり事業にしていきたい」とも話した。

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