新薬9製品を収載へ 潰瘍性大腸炎薬・エンタイビオ、免疫チェックポイント阻害薬・イミフィンジなど

公開日時 2018/08/23 03:51
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 厚生労働省の中医協総会が8月22日開かれ、新薬9製品(9成分13品目)を薬価収載することを了承した。同省は8月29日に収載する予定。2017年度に全世界で2000億円超の売上高となった潰瘍性大腸炎治療薬・エンタイビオ点滴静注用(武田薬品)、免疫チェックポイント阻害薬・イミフィンジ点滴静注(アストラゼネカ)が薬価収載された。イミフィンジは、非小細胞肺がん(NSCLC)の適応で薬価収載された4番手の製品で、10年後のピーク時売上高は374億円としている。

収載される製品は以下のとおり(カッコ内は成分名と薬価収載希望会社)
ジェミーナ配合錠(レボノルゲストレル/エチニルエストラジオール、ノーベルファーマ)
薬効分類:248
効能・効果:月経困難症
薬価:1錠 314.10円(一日薬価:235.60円)
市場予測(ピーク時5年後):投与患者数17万人、販売金額80億円  
類似薬効比較方式1で算定
加算なし

用法・用量は、患者の生活様式などに応じて、1周期を28日間にするか、84日間とするか、選択できる。レボノルゲストレル0.09mg、エチニルエストラジオール0.02mgを配合する。レボノルゲストレルを配合した月経困難症薬は初めて。

ダフクリア錠200mg(フィダキソマイシン、アステラス製薬)
薬効分類:611
効能・効果:感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)
薬価:200mg1錠3943.80円(1日薬価:7887.60円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数2.1万人、販売金額17億円
類似薬効比較方式1で算定
新薬創出等加算の適用あり

加算あり(有用性加算2(A=5%):理由「細菌RNAポリメラーゼ阻害作用という新規作用機序を有し、クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)に対する狭域の抗菌スペクトルを有する。近年、既存のCDI治療薬に対する感受性の低下や、再発が認められているなかで、国内外の臨床試験において、CDIに対する本剤の再発抑 制効果が確認されていることなどから、臨床上有用な新規作用機序医薬品に該当し、有用性加算2(A=5%)を適用することが適当と判断した」。

国内では、メトロニダゾール、バンコマイシンの治療薬があるが、近年は感受性が低下しているとの報告があり、新たな作用を持つ同剤が治療選択肢の一つになることが期待される。

スピラマイシン錠150万単位(スピラマイシン、サノフィ)
薬効分類:641
効能・効果:先天性トキソプラズマ症の発症抑制
薬価:150万国際単位1錠 224.60円
市場予測(ピーク時2年後):投与患者数494人、1.0億円
原価計算方式で算定
新薬創出等加算の適用あり

加算あり(有用性加算2(A=10%)及び市場性加算1(A=10%)、)
有用性加算2(A=10%):理由「国内外のガイドラインなどにおいて、トキソプラズマに初感染した妊婦に対し、胎児へのトキソプラズマ感染を防ぐための標準治療薬として位置付けられている薬剤であること等から、有用性加算2(A=10%)を適用することが適当と判断した」。

市場性加算1(A=10%):理由「本剤は希少疾病用医薬品の指定を受けていることから加算の要件を満たす。ただし、効能・効果は異なるものの、同様の薬理作用を有する医薬品が既に薬価収載されていることから、限定的な評価とし、市場性加算1(A=10%)を適用することが適当と判断した」。

妊婦がトキソプラズマに初感染した場合、トキソプラズマが胎盤を介して胎児に感染し、先天性トキソプラズマ症を発症する可能性がある。感染すると、胎児は流死産、水頭症、脳内石灰化などが起こることがあるが、日本ではトキソプラズマ症に関する適応で承認されている薬剤はなかった。その中で日本産婦人科学会から開発要望が厚労省に提出され、同省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で開発の必要性が認められ、同省から開発要請を受けたサノフィが開発した。

エンタイビオ点滴静注用300mg(ベドリズマブ(遺伝子組み換え)、武田薬品)
薬効分類:239
効能・効果:中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
薬価:300mg1瓶27万4490円(1日薬価:4902円)
市場予測(ピーク時4年後):投与患者数1.2万人、販売金額212億円
類似薬効比較方式1で算定
新薬創出等加算の適用あり

加算あり(有用性加算2(A=10%))
有用性加算2(A=10%):理由「本剤はヒトリンパ球上のα4β7インテグリンに結合し、リンパ球と腸管との接着を拮抗することで、腸管粘膜及び腸管関連リンパ系組織へのリンパ球浸潤を抑制する新規作用機序医薬品。臨床試験で、抗TNFα抗体治療歴がある患者においても有効性が認められており、承認審査において潰瘍性大腸炎の新たな治療選択肢として臨床的意義があると評価されていることから、有用性加算2(A=10%)とすることが妥当と判断した」。

抵抗性の潰瘍性大腸炎の治療薬として、抗TNF抗体などが用いられる。同剤も中等症以上に用いる抗体医薬という位置づけだが、ヒト化抗ヒトα4β7インテグリンモノクローナル抗体で新規作用機序を有する。武田薬品の最主力品で、2017年度の売上高は米国で1336億円、米国含む全世界では2014億円に上る。

シグニフォーLAR筋注用キット10mg,同筋注用キット30mg(パシレオチドパモ酸塩、ノバルティスファーマ)
薬効分類:249
効能・効果:クッシング病(外科的処置で効果が不十分又は施行が困難な場合)
薬価:
10mg1キット(溶解液付)10万3034円
30mg1キット(溶解液付)26万0258円
市場予測(ピーク時3年後):投与患者数67人、販売金額8.2千
規格間調整で算定
新薬創出等加算の適用あり:希少疾病用医薬品に指定されているため
その他加算なし

10mgと30mgは、今回の効能追加に併せて申請された新規格。これら2用量規格は、既承認の効能である先端巨大症などには使えない。クッシング病は良性下垂体腺腫からの副腎皮質刺激ホルモン過剰分泌によって副腎が刺激され、その結果、コルチゾールが過剰分泌されることにより、慢性的に高コルチゾール血症を呈する疾患。国内患者数は450人程度とされる。
 
同剤はソマトスタチンアナログ。ホルモンを過剰分泌する良性腫瘍で発現しているソマトスタチン受容体に結合し、活性化することで、ホルモン分泌を抑制する医薬品。

イミフィンジ点滴静注120mg,同点滴静注500mg(デュルバルマブ(遺伝子組み換え)、アストラゼネカ)
薬効分類:429
効能・効果:切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法
薬価:
120mg2.4mL1瓶11万2938円
500mg10mL1瓶45万8750円(1日薬価:3万2768円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数4.2千人、販売金額374億円
類似薬効比較方式1で算定
新薬創出等加算の適用あり
加算あり(有用性加算1(A=10%):理由「切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射 線療法後の維持療法に用いた国際共同第3相試験において、臨床的に意義のある効果が認められ、国内外の診療ガイドラインにおいて初の標準治療として推奨されていることから、治療方法の改善が示されていると判断し、有用性加算2(A=10%)とすることが適当と判断した」。

がん免疫療法薬で抗PD-L1抗体。がん免疫療法薬で非小細胞肺がんの適応を持つオプジーボ(小野薬品)、キイトルーダ(MSD)、テセントリク(中外製薬)はいずれも、切除不能な進行・再発のケースを適応としているが、イミフィンジは、局所進行の根治的化学放射線療法後の維持療法と、他剤と適応が異なる。
 
ガザイバ点滴静注1000mg(オビヌツズマブ(遺伝子組換え)、中外製薬)
薬効分類:429
効能・効果:CD20陽性の濾胞性リンパ腫
薬価:
1000mg40mL1瓶45万0457円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数5.5千人、販売金額205億円
原価計算方式で算定
新薬創出等加算の適用あり

加算あり(有用性加算2(A=20%):理由「リツキシマブの上市後、濾胞性リンパ腫(FL)の一次治療で用いられる新たな医薬品が長期間収載されていなかった状況において承認され、 未治療のFL患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験において、リツキシマブ/化学療法群と比較して、本薬/化学療法群で無増悪生存期間の有意な延長が検証されており、海外の診療ガイドラインにおいて標準的治療法として推奨されていることから、有用性加算2(A=20%)とすることが妥当と判断した」。

対象疾患は、悪性リンパ腫の種類の1つで、リンパ球のB細胞から発生する非ホジキンリンパ腫。B細胞を標的とするモノクローナル抗体。製造販売は中外製薬、販売は日本新薬。

レフィキシア静注用500,同静注用1000,同静注用2000(ノナコグ ベータ ペゴル(遺伝子組換え、ノボ ノルディスク ファーマ)
薬効分類:634
効能・効果:血液凝固第Ⅸ因子欠乏患者における出血傾向の抑制
薬価:
500国際単位1瓶(溶解液付)21万6394円
1000国際単位1瓶(溶解液付)42万7968円
2000国際単位1瓶(溶解液付)84万6403円 (1日薬価:12万0915円)
市場予測(ピーク時6年後):投与患者数83人、販売金額37億円
類似薬効比較方式2で算定
加算なし

オデフシィ配合錠(リルピビリン塩酸塩/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩、ヤンセンファーマ)
薬効分類:625
効能・効果:HIV-1感染症
薬価:1錠6043.00円(1日薬価:6043.00円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数1.3千人、販売金額28億円
類似薬効比較方式1で算定
新薬創出等加算の適用あり:希少疾病医薬品に指定されているため。
その他加算なし

既存3成分の配合錠で、1日1回1錠で内服できるよう設計した。リルピビリンは非核酸系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)で、HIV-1感染症治療薬として広く使われている。エムトリシタビンとテノホビルアラフェナミドはともに核酸系逆転写酵素阻害剤(NRTI)で、2成分の併用はHIV-1 感染症の治療に広く使用されている。8月21日に承認された製品だが、抗HIV薬のため29日に緊急収載されることになった。

<訂正>(8月23日13時26分)

下線部に誤りがありました。訂正いたします。

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