厚労省 販売情報提供活動GLを公表 MSLにも適応 売上至上主義のMR評価は不適切

公開日時 2018/09/26 03:52
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厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課は9月25日、「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン(GL)」を正式に公表した。製薬業界や医療関係者から寄せられたパブコメ82件を踏まえ、成案化した。パブコメ段階でGLの規制対象から除外すべきと意見のあったMSLについては、当初案通り、GLに明示された。未承認薬・適応外薬等に関する情報提供については、承認前広告(薬機法68条)違反となる恐れがあることから、通常の販売情報提供活動から切り分けるなど、GLに記載した全ての条件を満たすよう求めた。


◎GL適用は2019年4月1日から 監督部門は半年間の猶予 


同省は同日、都道府県、日薬連、卸連、三師会、日病薬、日本医学会に通知した。GLの適用は2019年4月1日から。ただ、販売情報提供活動の監督部門に関連する事項は、実施まで半年間の猶予期間を設け。19年10月1日から適用される。なお、この日は今年7月12日~8月13日まで行ったGL案に対するパブコメの概要と、これに対する厚労省側の考え方も公表した。


医療用医薬品の販売情報提供活動をめぐっては、証拠が残りにくい行為(口頭説明等)、明確な虚偽誇大とはいえないものの不適正使用を助長すると考えられる行為、企業側の関与が直ちに判別しにくく広告該当性の判断が難しいもの(研究論文等)の提供が行われ、適正使用に影響を及ぼす恐れが懸念されていた。


このためGLでは、資材等やMR・MSLの活動の適切性等をモニタリングする「販売情報提供活動監督部門」を、販売情報提供活動の担当部門から独立した形で社内に設けるよう規定。監督部門の責任者を明確化し、監督部門に権限を付与するとした。また、企業から独立した第三者を含めた審査・監督委員会を設け、監督部門への助言を行うことも明記した。ただ、GL案の段階であった委員会の設置場所について、「社内に」の文言は削除された。


GL案にあった経営陣の責務のうち、「適切な評価制度・報酬の設定」については、「報酬の設定」の文言を削除した。これはパブコメ段階で「役員や従業員に対する評価において報酬はその一部であり、これ以外に昇格、昇進、配置等があることから、“販売担当者等に対する評価”に包括的に記載すれば足りる」との意見が寄せられたことを踏まえて修正したもの。


◎パブコメで「販売ノルマを基軸とする社員の評価・報酬体系の禁止」求める意見も


一方で、GLでは、「販売情報提供活動に関する評価や教育等」との規定を明示した。この理由について同省は、「売上至上主義により設定されるようなMRの評価体系は不適切と考えており、その観点から設けた」と説明している。なお、パブコメでは、「不適正な行為が散見された根本的な背景には、MRをはじめとする製薬企業社員の評価・報酬体系が売上至上主義であったことに他ならない」との意見が寄せられ、経営陣の責務として、「販売ノルマを基軸とするような社員の評価・報酬体系を禁止する旨を明確に記すべき」との意見も見られた。


◎未承認薬・適応外薬の情報提供は「GLの条件全てを満たすこと」


未承認薬・適応外薬等に関する情報提供に関しては、パブコメ段階でGLからの「除外」を求める意見も寄せられたが、同省は「適正な販売情報提供活動として認められる条件をGLにおいて明示しておく必要がある」と説明し、GLに規定した。具体的に8項目の条件を明示した。同省は、この全ての条件を満たすよう求めている。なおパブコメでは、適応外の情報提供については、MSLや営業部門から独立した部署に所属する者に規定すべきとの意見が寄せられた。これに対し同省は、「我が国においてMSLは、その位置づけ及び活動が一律に定まっているものではない現状を踏まえると、原案通りとしたい」との見解を示している。このほか、未承認薬・適応外薬の情報提供については、「後日、Q&Aなどをお示しする」とした。


なお、同省はGLについて、三師会、日病薬、日本医学会など医療関係者にも通知した。未承認薬・適応外薬など、製薬企業から発信される販売情報提供の範囲を明確化するのに加えて、医療現場の医師や薬剤師が製薬企業に求める情報の範囲も、今回のGLの範囲内に規定されていることを周知する狙いが込められている。これにより情報の提供側と情報の受け手側双方のコンセンサスを一致させたい考え。


◎製薬協・田中常務「しっかり進めて参りたい」


日本製薬工業協会の田中徳雄常務理事は本誌取材に対し、今回成案化されたGLについて、「すでに業界として取り組んでいることも多分にある。我々としては、いまやっていることをしっかり進めて参りたい」とコメントした。

 

 

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