宮城で「医療と介護のロボット展」 人口減少地域支える新たなビジネス示す

公開日時 2018/11/26 03:50
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医療や介護の課題解決を支援する先進機器やソリューションを展示する「医療と介護のロボット展」が11月22と23の両日、宮城県仙台市で開催された。東北で加速する人口減少、少子高齢化による医療・介護分野の担い手不足、増える高齢者世帯に対し、ICTによる遠隔診療などのサービス、治療や介護を改善するソリューション、介護職員・家族の負担の軽減を図る製品を53社が出展した。疾病の治療だけでなく、健康増進、疾病予防、治療後の介護、生活支援、それを提供する医療・介護施設業務の効率化まで見据えた新たなビジネスの広がりを窺わせた。

一般社団法人東北医療・介護ロボット普及協会が主催、医療機器等卸のシバタインテックと医薬品等卸のバイタルネットの両地元企業が共催した。2017年に続く2回目の開催となった今回は、業界関係者だけでなく、医療や介護を学ぶ学生や一般からも参加し、来場者は約400人に上ったとみられる。
 
サイバーダイン・山海社長 「重介護ゼロ」目指す 「HAL」と薬剤・再生医療の複合療法に挑戦
 
23日は、最新技術の研究開発、実用化を進める事業者による講演が行われ、その中で医療・介護向けのサイボーグ型ロボット「HAL」の開発を行うサイバーダイン(茨城県つくば市)の山海嘉之社長が登壇した。人とロボットと情報の技術を融合させた「サイバニクス技術」の実用化に取り組み、「重介護ゼロ」社会の実現に強い意欲を示した。
 
脳神経疾患や難病などによる麻痺や肢体不自由者に対しHALによる治療・介護リハビリ効果が示されてきていることを紹介した上で、今後は、「HAL」と医薬品や再生医療を組み合わせて、効果の維持・改善を図る複合療法に挑戦すると表明。また、予防や早期診断・早期治療を支援する製品開発を進めていることを明らかにした。

カケハシ・中尾社長 薬局・薬剤師通じ患者の価値最大化図る 独自の電子薬歴システムで

元武田薬品のMRで、独自の電子薬歴システムで注目されているカケハシ(東京都中央区)の中尾豊CEOも23日に講演し、ICT、アプリだけでは高齢者が使いこなせず、十分な価値を享受できないとして、自社が開発したシステムを地域の薬局で活用してもらい、薬剤師を通じて患者が享受できる価値を最大化することに取り組んでいることを強調した。

中尾氏は、全国に6万弱ある薬局と、患者との会話の機会が多い薬剤師に、地域で患者に価値を提供できる施設・専門家として着目。国も薬局・薬剤師業務を対物から対人へと政策的に後押ししていることを踏まえ、業務効率化と患者サービスの向上を図る独自の電子薬歴システムを同社で開発、17年8月に「Musubi」の製品名でリリースした。薬剤師と患者の対話と薬歴記入を同時に行えるのが特徴で、それにより薬剤師が対人業務により時間を割けるようにする。

このシステムは、患者本人の情報、疾患や生活習慣などの情報を予め入力した上で、薬剤師と患者がタブレット端末画面を見つつ、表示される指導内容をタッチしながら説明・指導し、タッチした内容が薬歴に記入される仕組み。併せて、患者情報に基づいた服薬指導、生活習慣の改善などのアドバイスが、患者に合った形で説明・提供できるようになっている。

同社は、対話のきっかけをつくり、対話を通じて患者のニーズを引き出し、薬局が患者にとって地域で頼れる場になることを期待する。17年8月のリリース以来、8000店舗以上の薬局から問い合わせがあり、導入薬局は拡大しているという。

東北医療・介護ロボット普及協会・一條副会長 最新技術で地域課題の解決に期待

東北医療・介護ロボット普及協会の一條武副会長(バイタルネット社長)は、「少子高齢化、老老介護に直面し、ICTやロボットの技術をいかに活用していくかが問われている。ロボットにより、これまで困難とみられていた機能維持や回復も可能になっている」と述べ、ロボット技術による地域課題の解決に期待があることを指摘。さらに、出展企業と共催2社は取引などの関係があるとして「(我々は)関係企業と現場をつなぐことを得意としており、(これら技術を)紹介することで地域に価値をもたらすことができるのではないかと考えている」と話した。
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