終末期「痛みを感じた」患者は3割 緩和ケアの必要性高まる 国がんが患者遺族に初調査

公開日時 2018/12/26 03:50
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がんなどの患者のうち、死亡前1か月間、痛みを感じながら過ごしていた患者が約3割に上ることが12月26日、わかった。国立がん研究センターが患者遺族を対象に、終末期について初めて調査した結果から示された。終末期に受けた医療への満足度は高かったものの、緩和医療の重要性が改めて指摘された結果と言える。がん対策情報センターの加藤雅志がん医療支援部長は、「今後、緩和ケアについての知識や技術の習得のほか、医療者が終末期の患者に関われる環境づくりが必要だ」と述べた。

調査は、国がんが18年2~3月にかけて行った。対象は、5疾患(がん、心疾患、肺炎、脳血管疾患、腎不全)が主な死因となり、2016年に亡くなった患者の遺族。4812人のうち2295人から有効回答を得た。

調査結果では、約30%の患者が痛みのある状態で過ごしていた一方、75%が亡くなった場所で受けた医療に全般的に満足していることがわかった。

がんが死因の1630人を対象にみると、痛みがある状態で過ごしていた割合は36%。亡くなった場所で受けた医療・ケアについて「全般的に満足している」割合は76.2%で、全体と同様の結果となった。

一方、疾患によって結果がばらついたものもあった。「望んだ場所で過ごせた」割合は、がんが55.9%に対し、脳血管疾患は39.5%となった。「人として大切にされていた」割合も、がんは81.5%と高かったが、脳血管疾患では62.4%にとどまった。病状や治療内容について「医師の説明が十分だった」割合も63.7~80.3%と開きがあった。心疾患や脳血管疾患、肺炎で低い傾向がみられた。国がんは、「がん以外の疾患は対象数が少なく、参考値である」としている。

◎遺族の負担も明らかに 介護保険「申請したが利用できず」も

調査では、遺族の負担感についても聞いた。死亡前6か月間に介護保険を利用したことがなかったのは25%。このうち約20%が「申請したが利用できなかった」ことが明らかになった。

◎19年に本格調査 対象や調査項目を拡大 終末期の詳細な状況把握へ


国立がん研究センターは2019年1~3月に本格調査を行う予定としており、今回の調査を予備調査に位置付ける。本格調査では、対象を約10倍の5万人程度に広げるほか、集計方法に都道府県別を加える。介護保険が利用できなかった理由や、患者が意思伝達をできる状況にあったかなど、調査項目も増やす予定で、終末期の患者のより詳細な状況を明らかにしたい考え。

調査結果は国がんのホームページで公開されている。
 

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