厚労省 新薬13製品を承認 初のC型非代償性肝硬変治療薬エプクルーサなど

公開日時 2019/01/09 03:52
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厚労省は1月8日、新薬として13製品22品目を承認した。この中にはギリアド・サイエンシズが承認申請した、C型非代償性肝硬変に対する日本初の治療薬エプクルーサ配合錠がある。

新薬として承認された品目は次のとおり。
エプクルーサ配合錠(ソホスブビル/ベルパタスビル、ギリアド・サイエンシズ):「前治療歴を有するC型慢性肝炎、C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」「C型非代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品・新医療用配合剤。優先審査品目。再審査期間8年。薬効分類:625。

ソホスブビルはソバルディ錠として販売され、ベルパタスビルはNS5A 阻害作用を有する新有効成分。ジェノタイプ1~6のC型慢性肝炎、C型代償性肝硬変、C型非代償性肝硬変の患者を対象とした国内の治験に基づき申請されたもの。C型非代償性肝硬変は、最も有効な治療法は肝移植で、この薬剤が承認されれば、初の治療薬となる。また、直接作用型抗ウイルス療法の不成功患者に対する治療選択肢となる。

ソホスブビル400mg、ベルパタスビル100mgを配合し、1日1回1錠。C型慢性肝炎、C型代償性肝硬変はレベトールカプセル(MSD)と併用し、24週間投与。C型非代償性肝硬変はエプクルーサ単剤で12週間投与により治療する。治験では、SVR12(治療終了後12週時点でのウイルス量が定量下限値未満)の達成率はいずれも90%以上。

レベトールカプセル200mg(リバビリン、MSD):「ソホスブビル・ベルパタスビル配合剤との併用による、前治療歴を有するC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品。迅速審査品目。再審査期間は8年。薬効分類:625。

エプクルーサ配合錠(ギリアド・サイエンシズ)と併用するため、効能及び用量を追加した。

イベニティ皮下注105mgシリンジ(ロモソズマブ(遺伝子組換え)、アステラス・アムジェン・バイオファーマ):「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。薬効分類:399。
 
骨細胞から分泌され、骨形成の抑制などに関与する糖タンパク質スクレロスチンと結合してその作用を阻害し、骨形成を促進し、骨吸収を抑制するヒト抗スクレロスチンモノクローナル抗体製剤。210mgを月1回、12か月皮下投与する。日本ではアステラス・アムジェン・バイオファーマとアステラス製薬が共同開発した。販売元はアステラス製薬。

セリンクロ錠10 mg(ナルメフェン塩酸塩水和物、大塚製薬):「アルコール依存症患者における飲酒量の低減」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。薬効分類:119。
 
同剤はデンマークのルンドベック社が創製し、日本では両社で共同開発した。大塚の発表によると、中枢神経系に広く存在するオピオイド受容体調節作用を介して飲酒欲求を抑制し、依存症患者の飲酒量を低減させる。1日1回10mgを飲酒の1〜2時間前に服用する。

最新のアルコール依存症に対する診断・治療ガイドラインでは、飲酒量低減治療が断酒に導くための中間的ステップあるいは治療目標のひとつに位置づけられているが、多量な飲酒を繰り返すアルコール依存症患者が飲酒量を減らす過程を補助する薬剤はなかった。同剤は飲酒している患者に使う薬剤で、断酒状態で用いる既存のアルコール依存症治療薬3剤とは異なる。

同剤に対し「本剤の安全性及び有効性を十分に理解し、アルコール依存症治療を適切に実施することができる医師によってのみ処方されるよう、適切な措置を講じること」との承認条件をつけた。対象患者が広がる可能性があるためで、使用するにはメーカーや学会主催する講習会に参加する必要がある。また、他のアルコール依存症治療薬と同様に、「心理社会的治療と併用すること」と添付文書に明記した。

ビムパットドライシロップ10%、同点滴静注200mg、同錠50mg、同錠100mg(ラコサミド、ユーシービージャパン):「てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)」を効能・効果とする新剤形医薬品(ドライシロップ)、投与経路医薬品(点滴静注)、新用量医薬品(錠剤の小児用法・用量追加)。再審査期間はドライシップと錠剤は残余(2024年7月3日まで)、点滴静注は6年。薬効分類:113。
 
これら製剤は成人適応だけでなく、小児(4歳以上)適応も持つ。点滴静注製剤は「一時的に経口投与ができない患者におけるラコサミド経口製剤の代替療法」が効能・効果となる。ドライシロップでは、特に小児や嚥下機能が低下している高齢患者などに対する服薬のしやすさを期待する。販売元は第一三共。

タリージェ錠2.5mg、同錠5mg、同錠10mg、同錠15mg(ミロガバリンベシル酸塩、第一三共):「末梢性神経障害性疼痛」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。薬効分類:119。
 
電位依存性カルシウムチャネルのα2δ(アルファ2デルタ)サブユニットに対するリガンド。電位性カルシウムチャネルを介してカルシウムの流入を減少させることで、痛みに関与する神経伝達物質の過剰な放出を抑制することにより、効果を発揮すると考えられている。初期用量として1回5mgを1日2回経口投与。その後1回用量として5mgずつ1週間以上の間隔をあけて漸増し、1回15mgを1日2回経口投与する。なお、同様の作用機序を持つリリカの効能・効果は「神経障害性疼痛」。

ミネブロ錠1.25mg、同錠2.5mg、同錠5mg(エサキセレノン、第一三共):「高血圧症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。薬効分類:214。

 
ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬。過剰に活性化することで血圧の上昇が起こるというミネラルコルチコイド受容体に対し、その活性化を阻害することで降圧作用を発揮すると考えられている。2.5mgを1日1回経口投与する。
 
レルミナ錠40mg(レルゴリクス、武田薬品):「子宮筋腫に基づく諸症状(過多月経、加腹痛、腰痛、貧血)の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。薬効分類:249。

1日1回40mgを経口投与のゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体拮抗薬。武田薬品が製造販売承認を取得後は、あすか製薬が販売及びプロモーション活動を行う契約を締結している。

ザバクサ配合点滴静注用(セフトロザン硫酸塩/タゾバクタムナトリウム、MSD):「膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍」を適応症とする新有効成分含有医薬品・新医療用配合薬。再審査期間8年。薬効分類:613。
 
新規セフェム薬であるセフトロザン硫酸塩1.0gにβラクタマーゼ阻害剤であるタゾバクタムナトリウム0.5gを配合した注射用抗菌薬。膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路感染症は、基礎疾患がない単純性と、前立腺肥大や尿路結石などの基礎疾患またはカテーテルに起因する複雑性に分類され、同剤は複雑性尿路感染症、複雑性腹腔内感染症に対する初期治療、標的治療の新たな選択肢として期待される。

ビラフトビカプセル50mg(エンコラフェニブ、小野薬品):「BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。薬効分類:429。
 
BRAFのキナーゼ活性を阻害し、増殖抑制するとされるBRAF阻害薬。この日審議されたMEK阻害薬メクトビ錠(小野薬品)と併用する。ビラフトビは1回450mgを1日1回投与。メクトビは1回45mgを1日2回投与。
 
メクトビ錠15mg(ビニメチニブ、小野薬品):「BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。薬効分類:429。
 
MEKのキナーゼ活性を阻害し、増殖抑制するとされるMEK阻害薬。同日に承認されたBRAF阻害薬ビラフトビカプセルと併用する。
 
デムサーカプセル250mg(メチロシン、小野薬品):「褐色細胞腫のカテコールアミン分泌過剰状態の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。薬効分類:219。
 
厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」からの開発公募品目。褐色細胞腫は、副腎髄質または副腎外傍神経節に由来する神経内分泌腫瘍。褐色細胞腫から過剰に産生されるカテコールアミンにより、高血圧、心不全、不整脈等の致死的な心血間関連事象のリスクを高める。国内の推定患者数は2920例。メチロシンはカテコールアミンの産生に関わるチロシン水酸化酵素を阻害し、カテコールアミンを減少させる。同様の作用機序の承認薬はない。成人、12歳以上の小児には、1日500mgから経口投与する。

ビジンプロ錠15mg、同錠45mg(ダコミチニブ水和物、ファイザー):「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。優先審査品目。再審査期間8年。薬効分類:429。

EGFRチロシンキナーゼのリン酸化を阻害することで、増殖抑制するとされるEGFR阻害薬。1日1回45mgを投与する。化学療法歴のない患者に使用できる。

ビジンプロとゲフィチニブを直接比較した国際共同フェーズ3(「ARCHER1050試験」)では主要評価項目のひとつの無増悪生存期間(PFS、中央値)は、ビジンプロ群が14.7か月と、ゲフィチニブ群の9.2か月と比べ統計学的に有意な差を示した。

医療用薬2製品 規格追加などの承認

1月8日には新薬承認以外に、医療用薬2製品に規格追加などの承認があった。追加承認を取得したのは次のとおり(カッコ内は一般名、製造販売企業)。

ビソノテープ2mg、同テープ4mg、同テープ8mg(ビソプロロール、トーアエイヨー):「頻脈性心房細動」を効能・効果に追加し、2mg製剤を追加。再審査期間は残余(2021年6月27日まで)。薬効分類:214。
 
経皮吸収型のβ1遮断薬。2mg製剤は頻脈性心房細動のみの効能で、減量用量規格。4mg製剤、8mg製剤は既収載品で、効能及び用量を追加する。1日1回4mgから投与開始し、効果不十分な場合は1回8mgに増量する。なお、今回4mgと8mgについては、貼付部位の発汗等による粘着力低下の軽減することなどを目的として製剤の耐水性を向上させる改良を行った。販売元はアステラス製薬。
 
ゴナックス皮下注用80mg、同120mg、同240mg(デガレリクス酢酸塩、アステラス製薬):効能・効果の「前立腺がん」の用法・用量(維持用量)について、これまでの80mg4週間間隔に480mg12週間隔投与を追加する。それに伴い240mg製剤を追加した。再審査期間は残余(2020年6月28日まで)。薬効分類:249。
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