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薬食審・第一部会 新薬など8製剤を審議、承認了承 肥満症治療薬も

公開日時 2013/08/23 03:53
厚生労働省の薬食審医薬品第一部会は8月22日、新薬など8製剤の承認の可否を審議し、承認を了承した。この中には、世界初承認となる肥満症治療薬オブリーン錠(武田薬品)や、特定疾患に指定されている家族性アミロイドポリニューロパチーの経口治療薬ビンダケルカプセル(ファイザー)などの新薬がある。承認が了承された製品は次のとおり(カッコ内は成分名と会社名)。
 
【審議品目】
 
▽ネスプ注射液5μgプラシリンジ、同10μg、同15μg、同20μg、同30μg、同40μg、同60μg、同120μg、同180μg(ダルベポエチン アルファ遺伝子組換え、協和発酵キリン):「腎性貧血」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量・剤型追加にかかわる医薬品。再審査期間4年。欧米を含む48の国・地域で承認済み。小児用量として5μgプラシリンジが追加された。
 
▽ソリリス点滴静注300mg(エクリズマブ遺伝子組換え、アレクシオンファーマ):「非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制」を追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間は5年10カ月。この適応症では32カ国で承認済み。
 
溶血性尿毒症症候群は、溶血性貧血、血小板減少、腎障害を3徴候とする。5歳未満の小児に多く見られ、溶血性尿毒症症候群の10%程度が下痢を伴わない非典型とされる。この型は致死率が25%と予後不良で、欧州の報告では100万人に2人/年、小児では100万人に7人/年の発症率とある。ソリリスはヒト化モノクローナル抗体で、既存の適応症は発作性夜間ヘモグロビン尿症による溶血抑制。
 
▽オブリーン錠120mg(セチリスタット、武田薬品):「肥満症(ただし、2型糖尿病および脂質異常症を共に有し、食事療法・運動療法を行ってもBMIが25以上の場合に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。世界初承認で、欧州では承認申請中。
 
消化管および膵臓から分泌されるリパーゼを阻害することにより、脂質の吸収を抑制するリパーゼ阻害剤薬。食欲中枢には作用しないため精神症状への影響はないが、脂質吸収を抑制するため下痢や脂肪便の副作用がある。1日3回食直後に服用する。類薬に食欲抑制薬のマジントールがあるが、その適応はBMI35以上。
 
▽アブストラル舌下錠100μg、同200μg、同400μg(フェンタニルクエン酸塩、協和発酵キリン):「強オピオイド鎮痛剤を定時投与中のがん患者における突出痛の鎮痛」を効能・効果とする新剤型・新用量医薬品。再審査期間は4年。35カ国で承認済み。
 
舌下投与により、フェンタニルの速やかな吸収と鎮痛効果を有する。類薬に、同成分の口腔粘膜吸収剤がある。1回の突出痛に対して、100μgから開始して症状に応じて800μgまで適宜漸増する。600μg以下の投与で十分な鎮痛効果が得られない場合は、投与30分後以降に追加投与が可能。1日の最大使用回数は突出痛に対して4回までで、2時間以上投与間隔をあける。久光製薬と共同販売の予定。
 
▽ダットスキャン静注(イオフルパン ヨウ素123、日本メジフィジックス):「パーキンソン症候群、レビー小体型認知症の診断におけるドパミントランスポーターシンチグラフィ」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。欧米など33カ国で承認済み。
 
SPECT装置による線条体のドパミントランスポーターを可視化を可能とする放射性医薬品。「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で開発の必要性が指摘され、厚労省が開発要請を行っていた。
 
▽アゾルガ配合懸濁性点眼液(ブリンゾラミドとチモロールマレイン酸塩、日本アルコン):「緑内障、高眼圧症で、他の緑内障治療薬が効果不十分な場合」を効能・効果とする新医療用配合剤。再審査期間は6年。111カ国で承認済み。1回1滴、1日2回点眼する。
 
▽ビンダケルカプセル20mg(タファミジスメグルミン、ファイザー):「トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの末梢神経障害の進行抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間10年。希少疾病用医薬品。欧州で承認済み。1日1回経口投与する。
 
家族性アミロイドポリニューロパチーは、成人期に末梢神経、自律神経系、心、腎、消化管、眼などにアミロイド沈着を来たし臓器障害を起こす予後不良のアミロイド症。これまでの推奨治療は肝移植のみだった。国内の推定患者数は130人程度で、国の特定疾患の指定を受けている。
 
▽サムスカ錠7.5mg(トルバプタン、大塚製薬):「ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な肝硬変における体液貯留」を追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余(平成30年10月26日まで)。1日1回7.5mg経口投与する。既存の適応症はループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留。
 
【報告品目】
▽コンプラビン配合錠(クロピドグレル硫酸塩/アスピリン、サノフィ):「経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される虚血性心疾患〔急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)、安定狭心症、陳旧性心筋梗塞〕」を効能・効果とする新医療用配合剤。再審査期間は残余(平成26年1月22日まで)。クロピドグレル75mgとアスピリン100mgを配合。
 
▽水溶性プレドニン10mg、20mg、50mg(プレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム、塩野義製薬)、プレドニン錠5mg(プレドニゾロン、塩野義製薬)、プレドニゾロン錠1mg、5mg(プレドニゾロン、旭化成ファーマ):「川崎病の急性期(重症であり、冠動脈障害の発生の危険がある場合)」および「デュシェンヌ型筋ジストロフィー(成分名プレドニゾロンの3製剤)」を追加とする新効能・新用量医薬品。デュシェンヌ型筋ジストロフィーは事前評価済公知申請。
 
▽プレミネント配合錠HD(ロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジド、MSD):「高血圧症」を効能・効果とする新用量・剤型追加にかかわる医薬品。HDはロサルタンカリウム100mg、ヒドロクロロチアジド12.5mgを配合。それぞれ50mg、12mgが配合された従来のプレミネント配合錠はLDとなる。
 
▽グルファスト錠5mg、10mg(ミチグリニドカルシウム水和物、キッセイ薬品):「2型糖尿病」の新効能医薬品。従来の適応症は「2型糖尿病における食後血糖推移の改善」で併用可能な薬剤はαグルコシダーゼ阻害薬、チアゾリジン系だったが、いずれの2型糖尿病治療薬とも併用が可能になった。
 
▽リピオドール480注10mL(ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル、ゲルベ・ジャパン):「医薬品または医療機器の調整」の効能・効果を追加とする新投与経路・新効能・新用量医薬品。事前評価済公知申請。 
 
事前評価公知申請は、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で開発が求められ、厚労省が当該社に開発要請し、公知申請されていたもの。特例ですでに保険適用されている。
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