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日本医師会と世界医師会 UHC東京宣言を採択 政府のリーダーシップへの支援を表明

公開日時 2019/06/17 03:51
日本医師会は6月14日、世界医師会と共同で「UHC(ユニバーサルヘルスカバレッジ)に関する東京宣言」を採択した。安倍晋三首相が議長を務めるG20大阪サミットや、財務大臣・保健大臣合同セッションを通じ、UHCの推進を強く訴える考え。日本医師会としては東京宣言を通じ、公衆衛生や医療水準を飛躍的に高めた国民皆保険を世界に広めると同時に、健康増進・予防、治療、リハビリなどの各分野において、UHC達成に向けた国際的リーダーシップを発揮できるよう、強力にバックアップする考えを表明した。

日本医師会と世界医師会は6月13、14日の両日、「Health Professional Meeting(H20)2019」を東京都内で開き、最終日に東京宣言の採択し、閉会した。「理由を問わず、ヘルスケアシステムにいまだ十分な投資ができていない他の諸国においてこそヘルスケアシステムに対する改善された持続可能な投資への道を鼓舞するという期待を表明する」―。

東京宣言では、医療界のスタンスとして、「包括的ヘルスケアシステムの中核部分として質の高いプライマリケアの開発への強い関与を含め、UHCの概念を受け入れることに躊躇があってはならない」と表明。一方で、財務大臣に対しては、「開発途上国における、人的資本の開発、持続可能活包括的成長と開発、ならびにパンデミックや抗菌薬体制などの健康上の緊急事態の予防、発見と対応に貢献するものとして最近注目していることを歓迎する」とした。

UHCをめぐっては、G20に先立って福岡市で開催されたG20財務大臣・中央銀行総裁会議でも議論となった。会議では、地域や国の健康増進やマクロ経済の安定に寄与することが日本政府から指摘され、日本政府のリーダーシップで保健ファイナンスの強化など更なる議論をG20 大阪サミットで行う必要性が示されていた。

◎厚労省 鈴木医務技監 ヘルスケアデータの利活用「先進国でも非常に大切」

東京宣言の採択に先立って行われたシンポジウムで厚生労働省の鈴木康裕医務技監は、「UHCは日本の重要な外交手段でここ数年力を入れている」と説明した。人財が十分ではないなかで、生産性向上のためにAI(人工知能)や医療ICTを活用する必要性にも言及。さらに、ヘルスケアデータの利活用により、医療資源や財源などの配分や検証できることにも触れ、「これは先進国であっても非常に大切だ」との認識を示した。

なお、UHCをめぐっては、2017年に麻生財務相が医学誌「LANCET」にUHCに関する論文を寄稿するなど、日本政府もアジア・アフリカなど経済発展の早い地域や国に対し、資金・技術を提供する開発パートナーと連携し、UHCの達成・促進の両面から支援する方針を打ち出していた(本誌既報、記事①)。
6月中にも閣議決定される「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太方針2019)にも、UHCの達成を盛り込み、日本が主導的な立場で、各国の共通理解を取りまとめる決意も示している。


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