日医・松本会長 医療給付費対 GDP 比の数値目標導入に「反対」 定量的な目標設定を牽制
公開日時 2026/07/02 04:52

日本医師会の松本吉郎会長は7月1日の定例会見で、経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)2026の策定に向けた議論が進む中で、「医療給付費対 GDP 比の数値目標導入には反対している」と強調した。社会保障費対GDP比の数値目標導入も反対姿勢を示した。骨太方針の策定に向けて、与党との調整が進められているが、自民・維新の与党社会保障協議体では、医療給付費の対 GDP 比や社会保障負担率の具体的な数値目標が焦点となっており、両党で調整が進められている状況にある。
◎医療の高度化、インフレ下での導入に問題意識 医療崩壊も「大変危惧」
骨太方針原案には、「現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくとの方針を実現するため、マクロ的な社会保障負担率の目標について検討を進め、社会保障改革について、2026年度中に改革の具体化と工程の明確化を図り、順次実施する」ことが盛り込まれた。
松本会長は、「定量的な目標設定をしようという考え方には明確に反対だ」と強調した。社会保障費については医療だけでなく、年金や介護も含まれるが、「医療が一番問題視されるところだと思っている。ここに強くキャップをはめてしまうと、医療の高度化、インフレ下で、医療を継続するうえで非常に問題だ。過度の抑制が続けば、当然医療崩壊が起こるのではないか。これについては、大変反対しているし。危惧もしている」と話した。
◎70歳以上の高齢者の医療費窓口負担「早期に進めることは到底容認できない」
骨太方針策定に向けて、70歳以上の高齢者の医療費窓口負担も焦点となっている。松本会長は、「応能負担といった考えが一定程度あることは、否定はしない」と表明した。一方で、財務省の財政制度等審議会(財政審)が「70 歳以上の患者自己負担割合については、可及的速やかに現役世代と同様に原則3割とすべき」、「高齢者のみに適用される外来特例は廃止とすべき」と提言したことに触れ、「これを早期に進めることは到底容認できない」と語気を強めた。
特に、後期高齢者の窓口負担割合は原則1割とされているが、「後期高齢者の所得水準を考えれば、一律に3割負担を求めることは非常に乱暴ではないか」と牽制した。“一律3割”とすることを公平とする考え方もあるが、高齢者は複数の疾患を抱えていることなどから、「一律3割負担とすることは非常に大きな負担となってしまい、健康と命が守れなくなってしまう。議論は慎重にお願いしたい」と訴えた。