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イーライリリー・中国バイオ企業 新型コロナの抗体治療薬を共同開発へ

公開日時 2020/05/18 04:50
イーライリリーと中国のバイオ医薬品企業・Junshi Biosciences社(ジュンシ社)はこのほど、新型コロナウイルスの予防薬・治療薬となる抗体治療薬を共同開発することで合意した。すでに複数の中和抗体が設計されており、なかでもJS016については、6月までに臨床試験の開始が見込まれているという。

ジュンシ社の新型コロナウイルス抗体・ JS016は、新型コロナウイルス表面のスパイク蛋白質受容体結合ドメインに特異的な組換え完全ヒトモノクローナル中和抗体で、同社と中国科学院微生物研究所が共同開発した。宿主細胞表面受容体ACE2へのウイルスの結合を阻害する作用が期待されている。すでにINDを可能にする非臨床試験、GLPに準拠した毒性試験に向けた開発生産の工程、GMPに準拠した臨床材料の生産を完了しており、両社は、第2四半期中のIND申請と、米国での臨床試験開始を目指す。

中華圏を除く地域については、臨床開発や製造、販売に関する独占権をリリーが得る予定。一方、ジュンシ社は中華圏におけるすべての権利を所有する予定のため、中国での早期のIND申請を目指している。

イーライリリーの最高科学責任者兼リリー・リサーチ・ラボラトリーズのダニエル・スコフ ロンスキー, M.D., Ph.D.は「このリード抗体は、患者を対象とした治療的な使用の検討や、リスクのある人を対象とした感染予防の可能性の探索を支持するために、ふさわしい特性があることが示唆されている。ジュンシ社と提携し、早急に臨床試験を開始できることを期待している」とコメントしている。

ジュンシ社は、2012年創業のバイオ医薬品企業。がんや代謝性疾患、自己免疫疾患、神経疾患、感染症を治療領域とする21の医薬品候補から成る研究開発パイプラインを確立している。製品の種類には、モノクローナル抗体、融合タンパク質、抗体薬物複合体、小分子薬剤があり、上海と蘇州のGMP対応の2施設で、合わせて3万3000 Lの発酵作用能力を有する製造構造基盤を構築している。



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