米イーライリリー・Skovronsky氏 「アルツハイマー病を予防できる未来は近い」 HGPIシンポで講演
公開日時 2026/04/07 04:50
米イーライリリーの最高科学・製品責任者兼リリー・リサーチ・ラボラトリーズ・プレジデントを務めるDaniel M. Skovronsky氏は4月6日、日本医療政策機構(HGPI)のシンポジウムで講演し、「アルツハイマー病を予防できる未来は近いと、自信を持って言える」と強調した。
Skovronsky氏は、現在フェーズ3段階にある同社のグローバルのパイプラインとして、▽プレクリニカル期アルツハイマー病を対象としたドナネマブ(開発コード:LY3002813)、▽早期アルツハイマー病を対象としたRemternetug(開発コード:LY3372993)――の2つを挙げた。そして、「アルツハイマー病の発症、もしくは症状が発症するのを予防できるのかどうか、早期段階での検証を進めている。将来的には、まだ症状が出ていないところから介入していくことを目指している」と述べた。
米リリーは30年以上にわたり、アルツハイマー病の原因究明など研究を継続している。直近では、スイス・ロシュと共同開発中のp-tau217(217位リン酸化タウ蛋白)を標的とした血液診断薬について、2024年4月に米国FDAから画期的デバイス指定(Breakthrough Device Designation)を受けた。
Skovronsky氏は、開発後期の2つの抗アミロイド抗体(ドナネマブ、Remternetug)に触れつつ、「新しい画期的な治療を実現するには、社会としてもたくさんの取組みが必要だ」と指摘し、定期的なスクリーニング検査の重要性などを訴えた。さらに、疾患理解の促進や発症前患者へのサポート、適時な検査を可能にするなどの政策展開を通じ、「早期検出と介入によって、アルツハイマー病も予防可能な疾患になると期待している」と語った。
◎乗竹代表理事「議論をステークホルダーに届ける」
HGPIの代表理事・事務局長である乗竹亮治氏はシンポジウムの意義について、「ここでの議論を提言にまとめ、色々なステークホルダーに届けたい」と強調した。
乗竹氏は政策提言を社会実装するプロセスとして、▽アジェンダセッティング、▽アジェンダシェーピング、▽アジェンダデリバリー―の3段階を説明。「20世紀後半から21世紀にかけて新たなサイエンティフィックディスカバリーもあり、脳だけではないエンボディメントの議論も非常に盛んになっている」とし、幅広い視点からの議論を求めた。