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MR認定センター・近澤事務局長 認定試験制度改革に意欲 薬学生への門戸拡大で「2段階方式」導入も視野

公開日時 2022/02/17 04:52
MR認定センターの近澤洋平事務局長は2月16日、薬学部在学中の学生がMR職を目指しやすい環境を整えることなどを目的に、認定試験制度の改革に着手する方針を明らかにした。近く「認定試験制度改革検討委員会」を立ち上げ、22年度中に方向性を示す。その後、準備期間を経て24年度から新制度を順次施行したい考え。近澤事務局長は同日の教育研修システム認定講習会で、制度改革の方向性に触れ、厚労大臣認定の技能士資格の活用を視野に入れているほか、GVP省令に基づく医薬情報担当者の認定試験を薬学生等に開放し、次のステップとして企業の実務研修を経たMRに認定試験を行う「2段階方式」も一考と私見を交えて述べた。

◎「MR志願者のすそ野を広げたい」やる気のある学生が挑戦できる仕組みに

近澤事務局長はこの日の講習会で、MR数の減少やそれに伴う新規受験者数の減など「MRのためだけの試験制度だと、今後はどんどん先細りになる」と指摘。薬学部在籍中の学生がセンターの定める基礎教育を実施機関で受講すると認定試験を受験できる仕組みを導入したことから、「優秀な学生がMR職を目指すよう、MR志願者のすそ野を広げたい」と述べ、改革議論に着手する考えを表明した。実際に直近の第28回MR認定試験(21年実施)において、薬学生を含む新規個人受験者は30人に及び、第26回試験の受験者数3人から大きく増加している。近澤事務局長も、「やる気のある学生が挑戦できる仕組みにしたい」と意欲を示した。

◎受験資格の門戸拡大 企業は「基礎教育」の負担軽減で「実務教育」に注力できる体制を

具体的な改革論議は「認定試験制度改革検討委員会」で行う。検討テーマは、①認定試験の受験資格の見直し、②認定試験の実施方法の見直し-で、22年12月まで議論を重ね、23年1月に改革案を理事会に答申する。その後、約1年間の周知・準備期間を経て24年4月の実施を目指す方針だ。受験資格の見直しでは、MR職が社会から認知され、信頼される職種となることを前提に、MR職を目指す薬学部学生などへのアプローチを行い、MR志願者のすそ野の拡大につなげたい考え。一方で受験資格の門戸を拡大することで、製薬企業が行っている基礎教育のウエイトを下げ、逆に実務教育に注力できる体制を支援する狙いもある。

◎MRの社会的価値向上や薬学生への啓発活動 MR認定センターの事業として取り組む


近澤事務局長は講習会終了後にメディアブリーフに臨み、「例えば、薬学部を卒業する人が1年間に9000人近くいる。その3分の1が一つの目安になるのではないか」と強調。ただ、「いまは残念ながらMR職を啓発しているのは採用する企業のみだ。MRの採用を絞っているために、学生に対する情報発信が極めて低下している」と述べ、こうした啓発活動をMR認定センターの事業として取り組む必要性に言及した。この日の講習会でも、22年度の広報活動として、WebサイトのリニューアルやMRフォーラムの開催(22年8月24日)、日本薬学会第143年会での展示(23年3月25~28日)などの予定が紹介された。さらに近澤事務局長自身も、「学会シンポなどで問題提起して世論形成したい。教員にMRを啓発し、学生にも啓発していく」と意欲を示した。

◎1階部分をGVP省令に基づく医薬情報担当者に鞍替え 2階部分はMR認定資格

認定資格制度の改革の方向性について近澤事務局長は、「個人的な意見」と断りながらも、技能士資格としてMRを認定する仕組みをあげた。実際の運用では、職種によって1級、2級、3級の区分があるものと、単一等級で区分がない職種がある。「例えば3級でMRの入り口の部分の基礎教育を修了していることを確認する。2級になると、実務教育を客観的に評価する。こちらがMR認定試験という名称になるかもしれない」とのイメージを述べた。

またもう一つの考え方として、認定制度の「2段階方式」を提唱。1階部分はGVP省令に基づく医薬情報担当者を基礎教育レベルで認定するもの。薬学生等に門戸を開放する。これをパスすると企業の実務研修を経て、2階部分のMR認定試験を受験するという2階建て方式だ。近澤事務局長は、「GVP省令に基づく医薬情報担当者の定義の中にはMR以外もある。こういったところに医薬品の適正使用推進者、あるいはGVP省令にある医薬情報担当者を認定する試験に鞍替えし、別途、MRを認定するものと作るという考え方もある」との見解を示した。同時に、これまでの認定試験の実施時期を12月から変更することも可能となり、企業側の負担軽減にも寄与する。さらに試験方式については、CBT方式を採用することで、試験日を固定せず、期限内の受験も可能となる。

◎近澤事務局長「ハードルは高い」が「建付けが変わると受験者数はガラッと変わる」

ただ、近澤事務局長自身も、「どちらもハードルは高い。世間に理解を求め、理論武装しないと実現は不可能だ」と指摘。ただし、「認定試験の建付けが変わることで認定制度がガラッと変わる。それによって受験者数もガラッと変わる。だから、この委員会の検討テーマはものすごく大きい」と述べ、「認定試験制度改革検討委員会」の議論に期待感を表明した。



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