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アステラス製薬 次世代モダリティ「iADC」の治療薬創製に向け米Sutro社と戦略的提携

公開日時 2022/06/29 04:50
アステラス製薬は6月28日、米国Sutro Biopharma社と、抗体-薬物複合免疫賦活薬(iADC)の共同研究・開発に関する全世界における戦略的提携契約を締結したと発表した。Sutro社は、抗体と薬物を結合させる高度な技術と、候補となる抗体および結合可能な抗がん剤、免疫賦活剤を持つ。アステラス製薬は、抗体や低分子化合物の領域における研究、開発、商業化に関するグローバルでのケイパビリティの強みを持つ。両社の強みを組み合わせて、次世代モダリティのiADCの治療薬創製を目指す。

免疫チェックポイント阻害薬を含む主要ながん免疫療法の課題は、免疫細胞が浸潤しづらいがん微小環境にある非炎症性腫瘍に対して効果を得にくいということ。今回の戦略的提携により、非炎症性腫瘍に効果的かつ効率的にアプローチできる可能性があると考えられるiADCの創製に取り組む。免疫を活性化する免疫賦活剤に加え、免疫原性細胞死を誘導する抗がん剤を抗体に結合させたiADCは、より強力な抗がん作用を発揮する可能性があるという。アステラス製薬は、「既存の治療法が有効でない患者さんに治療薬を届けることを目指す」としている。

今回の提携により、Sutro社は候補化合物を特定するための研究および前臨床研究を行い、アステラス製薬はその後の臨床開発を実施する。

契約に基づき、アステラス製薬は契約一時金として9000万ドルをSutro社に支払う。さらにアステラス製薬は、臨床開発、商業化の進捗に応じたマイルストンとして製品ごとに最大4億2250万ドルを支払う可能性があり、グローバルでの売上に応じた10%台前半から10%台半ばのロイヤリティを支払う可能性がある。

Sutro社には、米国で製品候補を開発および商業化するためのコストと利益を分担するオプションがある。Sutro社が特定の製品候補に対してこのオプションを行使した場合、アステラス製薬とSutro社は米国における共同開発と共同商業化のコストを均等に分担し、共同商業化から生じる利益と損失を均等に分配する。

アステラス製薬の岡村直樹副社長(経営戦略担当)は、「当社は、がん免疫を研究開発戦略上のPrimary Focusの一つに位置づけており、既存の免疫チェックポイント阻害剤に反応しない患者さんにも効果がある治療薬を届けることを目指している」とした上で、「Sutro社は、新たなモダリティであるiADCに関する独自技術を持ち、この領域を牽引する企業。今回のSutro社との戦略的提携により、パイプラインがより充実し、がん免疫療法における選択肢をさらに広げることができるものと期待している」とコメントしている。

Sutro社のWilliam J. Newell CEOは、「iADCは、既存のADCをはるかに超えた可能性を秘めている。 Sutro社独自の結合技術により、がん細胞を直接傷害できる強力な抗がん剤と、特定のがん細胞に対する免疫応答を局所的に刺激しうる免疫賦活剤の両薬剤を、抗体の特定の部位へ正確に結合することが可能になる」としている。
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