中外製薬 Araris社の「AraLinQ」リンカー・ペイロードプラットフォーム取得 技術融合で革新薬創製へ
公開日時 2026/02/12 04:49
中外製薬は2月10日、スイスのAraris Biotech AGの「AraLinQ」リンカー・ペイロードプラットフォーム技術のライセンスを取得したと発表した。2025年に両社で締結した共同研究およびライセンスオプション契約(RCO契約)に基づき、中外製薬がオプション権を行使し、ペイロードADC技術を取得した。これに伴いAraris社は、契約一時金を受け取り、さらに開発の進捗に応じたマイルストン収入、将来の製品売上高に連動するロイヤルティ収入を得る可能性があり、全て達成すると最大7億8000万米ドルの対価になると見通した。
Araris Biotech AGは、大鵬薬品の完全子会社(25年3月)で、抗体薬物複合体(ADC)分野をリードするバイオテクノロジー企業。独自のコンジュゲーション技術と革新的なマルチ・ペイロード技術が特徴で、ADC設計において、あらゆる抗体をADCに変換することを可能にした。また、効率的なワンステッププロセスにより、相乗効果を発揮する複数の抗がん剤ペイロードを一つの抗体に結合させることで、併用化学療法の効力を標的部位に的確に届ける新世代の「スマートミサイル」を創出し、がん耐性という難題にも取り組んでいる。
◎中外製薬・奥田社長CEO 「抗体エンジニアリング技術との融合で治療薬創製を目指す」
今回、中外製薬がオプション権を行使した「AraLinQ」技術は、複数の抗がん剤を一つの抗体に効率的に結合させることで、腫瘍選択的に治療効果を発揮することが期待されている。中外製薬の奥田修代表取締役社長CEOは、「強みである抗体エンジニアリング技術との融合により、より効果的で安全な革新的がん治療薬の創製を目指したい」と強調した。
一方、Araris社のDragan Grabulovski CEOは、「これまでの共同研究を通じて達成された科学的進展を誇りに思う。本プログラムが臨床段階へと進展することを楽しみにしている」と強調。同社のFilippo Mulinacci 最高事業責任者(CBO)は、「我々にとって重要なマイルストンだ。マルチ・ペイロードADCの開発パートナーとしてのAraris社の地位を強固にするものだ」と語った。