米・モデルナは1月４日、無細胞DNA合成および増幅技術のパイオニア企業のオリシロジェノミクス社（東京都文京区）を8500万ドルで買収すると発表した。オリシロ社は2018年12月に設立。プラスミドDNAの無細胞合成および増幅技術の開発と商業化に注力してきた。今回の買収により、オリシロ社の技術とモデルナの製造に関する専門知識を戦略的に補完することで、研究開発を加速させたい考え。

モデルナはmRNA分野の研究開発型企業として、新型コロナウイルス感染症を含む多様なワクチンと治療薬ならびに臨床開発段階のプログラムを有する企業へと成長してきた。モデルナのステファン・バンセルCEOは、「この買収により、mRNA製造の重要な構成要素であるプラスミドDNAの無細胞合成および増幅におけるベストインクラスの手法が得られる。オリシロ社の技術は、当社の製造に関する専門知識を戦略的に補完し、研究開発をさらに加速させる」と強調した。

オリシロ社のバシルディン・ナセル・加藤CEOは、「モデルナは、革新的なプラットフォームとmRNA治療薬を通じて、人々の健康に極めて迅速に貢献できることを実証してきた。オリシロ社の技術と人材はモデルナの戦略に非常によく合致すると確信している」と強調。共同創業者の平崎誠司プレジデントは、「モデルナと力を合わせることでオリシロ社の最大限の力を発揮できることを嬉しく思う」 と述べた。