大塚製薬 VR活用した「ひきこもり支援プログラム」を刷新 動画教材と学習ブックを追加 北大と共同開発
公開日時 2025/07/08 04:48

大塚製薬は7月1日、北海道大学と共同開発した「ひきこもり家庭支援プログラム」のアップデート版の提供を開始したと発表した。同プログラムは2024年2月から提供されているVR(仮想現実)プログラムで、ひきこもり当事者の視点を仮想現実で体験できるのが特徴。アップグレード版は、ひきこもりに関する動画教材と理論を学べる学習ブックが新たに追加され、ひきこもりの家族に対する包括的な教育支援の展開が可能となった。
同プログラムは、VRを用いてひきこもり状態の当事者視点に立ち、家族からの声かけや態度がどのように受け止められているのかなど、気づきを促す内容がプログラムされている。今回のアップデート版は、北海道大学大学院神経病態分野神経医学教室の加藤隆弘教授と共同開発したもので、ひきこもりに関する2D動画と学習ブックが加わることで、理論と実践の両面からより包括的な理解を促し、効果的な家庭支援につながると期待している。
なお、VR体験はジョリーグッド社の技術が用いられた。大塚製薬と同社は、これまでにソーシャルスキルトレーニングや感情感知トレーニング、認知症ケア支援といったコンテンツを提供してきた。ひきこもり家庭支援プログラムは、支援を行う自治体や相談機関・施設が実施する教室などでの活用を想定されている。
大塚製薬ポートフォリオマネジメント室の大西弘二氏は、「今回アップグレードしたひきこもり家族支援プログラムは、ひきこもりの長期化を解決するための一助になると期待されている。今後も当事者やご家族・支援する方々が抱える課題を解決するため、新たなコンテンツの開発を行っていく」とコメントしている。