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新薬14成分が承認 RA治療の生物学的製剤や経口抗凝固薬など

公開日時 2012/12/26 04:02

厚労省は12月25日、新薬として14成分23品目を承認した。生物学的製剤で関節リウマチ(RA)治療薬シムジア皮下注(成分名:セルトリズマブ  ペゴル、会社名:ユーシービージャパン)や経口抗凝固薬エリキュース錠(アピキサバン、ブリストル・マイヤーズ)、国内初の「ハンチントン病」治療薬コレアジン錠(テトラベナジン、アルフレッサファーマ)などがある。

承認されたのは次のとおり。

 
▽エルカルチンFF内用液10%、同静注1000mg(レボカルニチン、大塚製薬):「カルニチン欠乏症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
カルニチン欠乏症は筋肉や肝臓などに様々な障害を及ぼす。10年の厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で医療上の必要性が高いと判断され、錠剤は公知申請により11年3月に承認。内用液剤、静注製剤は開発していた。液剤は錠剤がのめない患者向け、静注製剤は急性期の患者、経口摂取ができない患者向け。

▽トビエース錠4mg、同8mg(フェソテロジンフマル酸塩、ファイザー):「過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
フェソテロジンは新規抗コリン薬。フェソテロジンの活性代謝物は同社の既存薬デトルシトール(トルテロジン)と同じもの。デトルシトールは1日1回4mgの用法のみだが、トビエースは8mgまで増量が可能で、4mgでは効果不十分だった患者の選択肢になるとみられる。
 
▽アフィニトール分散錠2mg、同3mg(エベロリムス、ノバルティスファーマ):「結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫」を効能・効果とする剤形追加。水に分散させてかき混ぜて服用する。再審査期間10年。
結節性硬化症は、体のあらゆる箇所に良性の腫瘍を引き起こす疾患で、難病情報センターによると、患者は国内に1万5000人はいると考えられる。手術が治療法になるが、それが適応にならない場合の治療薬はなかった。上衣下巨細胞性星細胞腫は脳に発症する。結節性硬化症は遺伝子の変異によって、腫瘍細胞の分裂や腫瘍の成長に必要な血管新生などに関与するmTORを活性化することで引き起こされるといわれる。同剤は、そのmTORの機能を阻害する作用により効果を発揮するという。
 
▽シムジア皮下注200mgシリンジ(セルトリズマブ ペゴル遺伝子組換え、ユーシービージャパン):「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」を効能・効果とすめ新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
同剤はPEG化抗TNF-α抗体の生物学的製剤。発売後は免疫・炎症領域に強いアステラス製薬とコ・プロモーションすることになっている。
 
▽ディレグラ配合錠(フェキソフェナジン塩酸塩と塩酸プソイドエフェドリン、サノフィ):「アレルギー性鼻炎」を効能・効果とする新医療用配合剤。再審査期間6年。
眠気などが少ない第2世代抗ヒスタミン剤フェキソフェナジン30mgと鼻づまりなどに用いる交換神経刺激薬の塩酸プソイドエフェドリン60mgの配合剤で、1回2錠を1日2回投与する。いずれもOTCにある成分。他の抗ヒ剤との配合剤はすでにOTCにあるが、この成分の配合剤は初めて。
 
▽マラロン配合錠(アトバコンとプログアニ塩酸塩、グラクソ・スミスクライン):「マラリアの治療及び予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品・新医療用配合剤。再審査期間8年。
同剤は厚労省研究班から開発要望があり、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で必要性が認められ、厚労省が開発を要請していたもの。優先審査された。
 
▽アメパロモカプセル250mg(パロモマイシン硫酸塩、ファイザー):「腸管アメーバ症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
同剤は日本感染症学会などから開発要望があり、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で必要性が認められ、厚労省が開発を要請していたもの。
 
▽ニュープロパッチ2.25mg、同パッチ4.5mg、同パッチ9mg、同13.5mg(ロチゴチン、大塚製薬):2.25mg、4.5mgは「パーキンソン病、中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群」、9mgと13.5mgは「パーキンソン病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。
1日1回投与の世界唯一のドパミン・アゴニストの経皮吸収型製剤。薬剤を持続的に放出する貼付剤とすることで、24時間一定の血中濃度を維持する。パーキンソン病や突発性レストレスレッグス症候群の症状は1日を通じて症状が出るため、患者の服薬利便性の向上も踏まえて開発された。
 
▽エリキュース錠2.5mg、同5mg(アピキサバン、ブリストル・マイヤーズ):「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。
同剤は、BMSとファイザーが共同開発し、両社でコ・プロモーションする。経口ファクターXa阻害薬としては国内3番目。
 
▽ライゾデグ配合注フレックスタッチ、同配合注ペンフィル(インスリンデグルデク(遺伝子組換え)/インスリンアスパルト(遺伝子組換え)、ノボ ノルディスク ファーマ):「インスリン療法が適応となる糖尿病」を効能・効果とする新医療用配合薬。再審査期間は残余(平成32年9月27日まで)。
持効型インスリンデグルデクと超速効型インスリンアスパルトによる配合薬で、持効型のデグルデクにより基礎分泌を補充して空腹時血糖値を低下させる一方、超速効型のアスパルトにより追加分泌を補充し、食後の血糖値を低下させる。1日1回または1日2回皮下注射する。
 
▽アクトネル錠75mg/ベネット錠75mg(リセドロン酸ナトリウム水和物、味の素/武田薬品)。「骨粗鬆症」を効能・効果とする新用量・剤形追加に係る医薬品。再審査期間は4年。
月1回投与のビスフォスフォネート製剤。アクトネル錠は味の素が製造し、エーザイが販売。ベネット錠は武田薬品が製造・販売している。
 
▽ホスリボン配合顆粒(リン酸二水素ナトリウム一水和物/無水リン酸水素二ナトリウム、ゼリア新薬):「低リン血症」を効能・効果とする新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品。希少疾病用医薬品で、再審査期間は10年。
同症の治療法は、経口リン酸塩製剤と活性型ビタミンD製剤の併用が一般的。しかし、経口リン酸塩製剤は世界では市販されているものの日本にはなく、日本小児腎臓病学会などから開発要望され、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」から開発要請されていた。
 
▽コレアジン錠12.5mg(テトラベナジン、アルフレッサファーマ):「ハンチントン病に伴う舞踏運動」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品で、再審査期間は10年。
ハンチントン病の治療薬としては国内初。この疾患は遺伝性の神経変性により、舞踏運動などの不随意運動、精神症状、行動異常、認知障害などを特徴とする。厚労省の未承認薬開発支援事業の基金や未承認薬等開発支援センターの助成金を受けて開発された。
 
▽ミニリンメルトOD錠60μg(デスモプレシン酢酸塩水和物、フェリング・ファーマ):「中枢性尿崩症」を効能・効果とする新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品。再審査期間は残余(平成30年3月29日まで)。
既存の120μg、240μg製剤には「中枢性尿崩症」を効能・効果する。同剤の販売元は協和発酵キリンで、フェリングと協和発酵キリンでコ・プロモーションしている。
 
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