上野厚労相 マンジャロ個人間売買に注意喚起 適応外で処方する医療機関「立入検査、是正命令」対応も
公開日時 2026/06/08 04:52
上野賢一郎厚労相は6月5日の閣議後会見で、2型糖尿病治療薬マンジャロを無許可で個人間売買して摘発された事案について、「厚生労働省として、マンジャロの個人間売買に対してSNSなどを含めて注意喚起を強化していく。法違反に対して厳正に対処していきたい」と強調した。また、マンジャロを適応外かつ自費診療で処方する医療機関に対しては、「医療法に基づいて虚偽広告や誇大広告などを禁止している」と指摘。「医療法に係る一般的な違反については、自由診療の場合も含め、都道府県等が医療法に基づいて必要に応じて医療機関に立入検査などを実施し、是正命令等の必要な対応を行う」と警告を発した。
2型糖尿病治療薬マンジャロをめぐっては、許可なくSNSで同剤を個人間売買したとして大阪府警が薬機法違反の疑いで男女3人を書類送検した。一方で、ダイエット目的の適応外使用の事例もSNSやYouTubeなどを通じて拡散されている。「マンジャロ」を主題に一般生活者が簡単に閲覧・視聴できるコンテンツもネット上に多数存在する。
特に気になるのは、マンジャロをダイエット目的で使用した若者の声がそのまま動画で流され、拡散されていること。2型糖尿病を患っていない女性が、ダイエット目的でオンライン診療を通じ、マンジャロを自費診療で医師から入手(処方)したケースや、ダイエットしたい願望から自己判断で投与量を増量(用法用量を超えた投与量)し、その後、体調不良から自ら使用を控えた体験談などを赤裸々に語る動画まである。上野厚労相も先述の閣議後会見の中で、「適応外で使用された場合には、思わぬ副作用につながる可能性も否定できないことから、国民の皆様におかれては適正な使用をお願いしたい」と警鐘を鳴らしている。
マンジャロに限らず、他のGLP-1 受容体作動薬、GIP/GLP-1 受容体作動薬についても、美容・痩身・ダイエットなどを目的とした適応外使用を推奨していると受け取れる広告等がインターネット上の一部ホームページに掲載されていることは、製薬企業の従事者、医師、薬剤師など医療従事者であれば周知の事実だ。
◎「都道府県と連携し、SNSを含めたネットパトロールを強化して監視」上野厚労相
上野厚労相は閣議後会見で、「一般にマンジャロを個人間で売買することは違法だ。厚労省としては都道府県と連携し、SNSを含めたネットパトロールを強化して監視する。薬機法違反が確認される場合には必要な取締りを行う」と強調。リーフレットを作成するなど、国民への周知を図っていくと述べた。
一方、自由診療については、「医療法に基づいて虚偽広告や誇大広告などを禁止している」と指摘。「ウェブサイトなどでの広告の場合には、問い合わせ先を明示した上で、通常必要とされる治療等の内容、費用、リスク、副作用等に関する事項について情報提供することを求めている」と述べ、「医療法に係る一般的な違反については、自由診療の場合も含め、都道府県等が医療法に基づいて、必要に応じて医療機関に立入検査等を実施し、是正命令等の必要な対応を行う」と強調。都道府県等を通じて状況把握・対応を行ってまいりたい」と述べた。
◎日本イーライリリー 自社ホームページのトップに「適正使用に関する取り組み」掲載
マンジャロを販売する日本イーライリリーは自社ホームページのトップページに「当社製品の適正使用に関する取り組み」を掲載。「美容・痩身・ダイエット等を目的とした適応外の使用を推奨していると受け取れる広告等がインターネット上の一部ホームページ等に掲載されている」と警鐘を鳴らし、「承認された使用法以外で使用された場合、本来の効果が見込めないだけでなく思わぬ健康被害が発現する可能性も想定されている」と注意喚起している。
ノボ ノルディスク ファーマも同様に、2025年12月に日本イーライリリー、アストラゼネカの3社で公開した「適正使用に関する取り組み」を自社ホームページに掲載している。