09年抗がん剤市場は10%増 分子標的治療剤が貢献 富士経済調べ
公開日時 2009/05/11 23:00
富士経済が5月11日に発表した市場調査結果によると、09年の抗がん剤市場は
08年に比べ10%増の6186億円が見込まれる。アバスチン(中外製薬)、非小細
胞肺がんに用いるタルセバ(同)、腎細胞がんに用いるネクサバール(バイエ
ル薬品)、スーテント(ファイザー)と分子標的治療剤が相次いで発売され、
その実績が市場拡大に貢献したと分析した。
富士経済は「新薬の開発や併用療法の研究の進展により化学療法の位置づけが
高まっており、抗がん剤の患者数は今後も増加する見通し」と指摘。17年には
市場は、08年より74.2%増の9800億円まで拡大すると予測した。
抗がん剤ほか、疼痛治療剤や制吐剤、CSF(コロニー刺激因子)も含めた「が
ん関連用剤」市場では、09年は8.1%増の7075億円の見込み。CSFはガイドライ
ンで適正使用の遵守・徹底や外来化学療法が進んだことで、市場は縮小。制吐
剤は上位ブランドにジェネリックが参入し、実績を落とした。一方で、疼痛治
療剤は、緩和ケアの普及により市場は拡大傾向にあり、09年見込みは3.0%増
の383億円。17年には08年より19.6%増の445億円と予測している。