BMS メダレックスを買収
公開日時 2009/08/05 04:00
米ブリストルマイヤーズスクイブ(BMS)は7月22日、バイオ企業メダレックスを24億ドル、1株当たり16ドルで買収すると発表した。BMSの今回の買収には12年の主力品である抗凝固薬プラビックス、降圧剤Avaproの特許切れるによる業績低下防止とがん領域での再浮上を狙う意味合いがある。
がん領域では、タキソール(パクリタキセル)の特許が切れて以来、イーライリリーから導入したアービタックス(セツキシマブ)と自社品のSprycel(ダサチニブ)、Ixempra(ixabepilone)などがある。
BMSは今回の買収により、抗体医薬ipilimumabを獲得する。同剤は転移黒色腫と前立腺がんでフェーズ3、肺がんでフェーズ2にある。両社は05年から共同開発してきた。しかし、転移黒色腫の治療薬は最も困難といわれ、同剤はBMSにとって賭けだといわれている。
BMSは今回の買収で、メダレックスの持つADC(抗体医薬複合)技術とUltimabヒト抗体開発システムを獲得する。ADC技術は、がん細胞を攻撃する患者の免疫反応を高める化合物の発見、開発に役立つ技術。UlitiMabは抗体を生産するプラットフォーム技術で、すでにジョンソン&ジョンソンの関節リウマチ治療薬Simponi、乾癬治療薬Stelaraやノバルティスの自己免疫疾患治療薬Ilarisで実用化されている。