シェリング・プラウと明治製菓は９月７日、ミルタザピンという新しい抗うつ剤を同日に発売したと発表した。シェリング・プラウは「レメロン錠15mg」、明治製菓は「リフレックス錠15mg」の名称で販売する。１日１回就寝前の服用で、作用の発揮が数週間後という従前の抗うつ薬とは異なり、服用開始１週目から不眠や不安、焦燥感といった症状を改善するという点が特徴だとしている。

シェリング・プラウは、発売に備えCNS（中枢神経領域）専任MRを100人体制に拡充、市場への早期浸透を狙う。明治も、重点のCNS領域の強化につながる新薬であることから、11年度までの中期経営計画期間中にMRをCNSを中心に100人増員する方針だ。

発表によると、抗うつ作用に関係するノルアドレナリン（NA）の遊離を促し、NA神経を活性化させる。併せて、セロトニン（5-HT）受容体のうち、抗うつ作用に関連する5-HT1受容体に選択的に活性化させる。海外では「ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬」（NaSSA）というカテゴリーに分類されているという。薬価は１錠169.30円。同剤は、オルガノン社（現・シェリング・プラウコーポレーション）が創製、94年にオランダで発売されて以来、世界90カ国以上で承認されている。日本では、シェリング・プラウと明治製菓が共同で開発した。