製薬国内大手・準大手８社の10年第２四半期（４－９月）決算が11月５日に出揃った。海外売上高が全体の約半分を占める大手４社は、前年同期より10円以上高い90円台の円高により海外売上高が数百億円目減り、武田薬品、エーザイは減収、第一三共はランバクシー社の売上高661億円が連結され増収となったが、除くと減収となり、アステラス製薬は微増収にとどまった。

その中にあってアステラス製薬は、グローバル製品で過活動膀胱治療薬ベシケアが円高の中で欧米でも売上を伸ばしたのに加え、国内主力品も伸長し、円高の影響を吸収して0.3％増を確保。エーザイは、２大国際戦略品のうちのアルツハイマー型認知症治療薬アリセプトは２％増となった。

営業利益で大幅増となった武田は、前期に計上した米ミレニアム社買収に伴う経費が今期ないため。エーザイは、海外での研究開発費が円高で軽くなるなど影響が少なかった上に経費効率化で増益を確保した。アステラス、第一三共は売上原価が高くなったことが影響した。

一方、国内を主戦場とする準大手も主力品は堅調。田辺三菱は、関節リウマチ治療薬レミケードが28％もの伸びを示し、国内医療用薬は4.2％増。大日本住友は、主力４品の筆頭であるCa拮抗薬アムロジンがGEの影響で12％減となったが、３品は伸長した。買収した米サイエル社が連結され、海外売上高も３割超となり他社と一線を画す存在となった塩野義は、サイエルの売上に加え、高脂血症治療薬クレストールの国内売上や同剤のロイヤリティー収入の大幅増もあり２桁増収となった。

売上の６割を一般薬などセルフメディケーション事業を占める大正製薬は、改正薬事法による店頭販売が売上、利益にもマイナスに影響。しかし、医療用薬事業で、新型インフルエンザの２次感染拡大の影響や新製品などで主力の抗生剤が伸長して9.9％増となり、売上高全体を押し上げた。