厚労省 改定の基本方針、医療費の底上げ&配分の見直しの折衷案も併記
公開日時 2009/12/09 04:01
厚生労働省は12月8日、社保審・医療部会と医療保険部会がまとめた10年度診療報酬改定の基本方針を公表した。医療保険部会では医療費配分の見直しに力点が置かれた記載だったのに対し、医療部会では医療費全体の底上げに力点を置く必要性が指摘されるなど、両部会でスタンスが若干異なっていた。これを踏まえて同省は今回、医療費の部分の記載に関して、両部会の意見を併記。さらに医療費の底上げと配分の見直しの両方に取り組むべきという意見も加え、3つの意見を並べる形とした。基本方針は、診療報酬改定の方向性を示すもの。年明けの点数配分の議論に反映される。
基本方針は2つの重点課題と4つの視点で構成。2つの重点課題は「救急、産科、小児、外科等の医療の再建」と「病院勤務医の負担の軽減(医療従事者の増員に努める医療機関への支援)」。4つの視点は「充実が求められる領域を適切に評価していく視点」「患者から見てわかりやすく納得でき、安心・安全で、生活の質にも配慮した医療を実現する視点」「医療と介護の機能分化と連携の推進等を通じて、質が高く効率的な医療を実現する視点」「効率化余地があると思われる領域を適正化する視点」。