維新・梅村社会保障調査会長 「医療版マクロ経済スライド」は財源の予見性重視 医療費抑制が前提でない
公開日時 2026/03/25 04:52

日本維新の会の梅村聡社会保障制度調査会長は3月24日、本誌インタビューに応じ、医療費の伸びを名目GDP成長率の範囲内にとどめる「医療版マクロ経済スライド」を導入する意義を訴えた。自民党との与党社会保障制度改革協議体でも同様の問題提起をしている。梅村調査会長は、「経済トレンドを見れば診療報酬改定の幅をあらかじめ予測できるし、現役世代の保険料負担は実質的に上がることはない」と強調。あくまで“予見性”の指標と位置付けることで、「国民、保険者、医療機関にも納得感が持てる基本的な“土台”としての役割を考えていくべきだ」と強調した。
◎「ルールを決めることで予見可能性につながる」 現役世代の実質的な負担抑制にも利点
維新が主張する「医療版マクロ経済スライド」とは、名目GDPの成長率に合わせて、医療費の伸びの範囲を設定する考え方。必ずしも医療費の抑制のみを前提としたものではないと梅村調査会長は指摘する。その上で、医療機関にとっては、インフレ下における人件費や物価高騰への対応につながるほか、「医療機関にとっても施設整備や機器購入などを含む事業計画や見通しが立てやすくなる」と主張する。維新が政策の柱とする現役世代の保険料負担抑制という面でも、経済成長に伴って賃金が上昇すれば、実質的な負担率自体は変わらないとの理屈だ。
梅村調査会長は、「基本的なルールが何もないのが今の診療報酬改定。その時々の政権の考え方でゼロから組み立てるのではなく、ルールを決めることで予見可能性にもつながる」と利点を強調。加えて、「社会保険料を下げる改革」を訴える党として、「僕らが言うマクロ経済スライドには、現役世代の保険料率が上がらないようにするという目的がある」とも説明した。また、26年度診療報酬改定の改定率3.09%についても、仮に名目GDPの成長率から財源確保の範囲を予測できるなど、医療業界全体としての予見可能性が高まると指摘した。
◎医療の高度化やマイナス成長への対応など「政治判断の余地はあるべきだ」
一方で、医療費へのマクロ経済スライドの導入は、医療の高度化への対応やマイナス成長時の扱いなどの課題もある。実際に自民党側からもこうした懸念が寄せられているという。この点について、梅村調査会長は、「具体的な制度設計はこれからの検討や行政による詰めも必要」とした上で、「社会情勢やニーズに応じて、政治判断の余地はあってしかるべきだ。問題は議論の起点が定まっていないことであり、土台となるルールがまずはなくてはならない」との認識を示した。
自民と維新による与党社会保障制度改革協議体は3月19日に衆院選後初めて開かれ、「医療版マクロ経済スライド」を含めた医療保険財政の健全化などについて議論した。また、衆院選により協議が開かれなかったことを踏まえ、両党の連立合意に基づく社会保障改革について、骨子の合意を「原則として5月中」に後ろ倒しすることも確認した。