サノフィと日医工 日本の後発品事業で提携 共同出資会社を6月に設立
公開日時 2010/05/31 04:02
サノフィ・アベンティスと日医工は5月28日、日本における後発品事業で戦略的提携関係を結ぶことで合意したと発表した。サノフィの長期収載品や両社で共同開発した後発品を販売する共同出資会社「日医工サノフィ・アベンティス」を6月に設立するほか、両社の関係を強固にするため、サノフィが日医工の株式4.66%を取得して創業家に次ぐ大株主になる。成長余地の大きい日本の後発品市場に参入したいサノフィと、バイオシミラーなどで国内の競争力をより一層強化したい日医工の、それぞれの思惑が一致した。
今回の戦略的提携では、▽日医工がサノフィグループの特定の医薬品を独占販売する▽日医工サノフィ・アベンティス(以下、新会社)を設立する▽サノフィが日医工の大株主となる――の3つが柱。特に新会社では、日医工が持つ後発品の製造・開発・販売のノウハウと、サノフィグループのリソースやグローバルで扱う後発品の融合がポイントとなる。
28日の発表では、新会社にサノフィ51%、日医工49%を出資する。資本金は1億円。社長はサノフィのパトリック・ショカ社長が兼務する。新会社では先ず、サノフィの長期収載品の睡眠障害改善薬「アモバン」の販売・流通を行い、日医工は販促活動を行う。また、関係者によると、新会社の取締役は両社から同数ずつとなり、日医工の田村友一社長も入る模様だ。新会社では基本的に、サノフィの長期収載品の一部や、両社で共同開発した後発品やバイオシミラーを販売する方向だが、営業体制や、日医工の後発品がどのように扱われるのかなど不明な点も多い。詳細は31日午後に予定する共同会見で明らかになる見込みだ。
●サノフィ 日医工第2位の株主へ
日医工は28日の取締役会で、戦略的提携の一環として、サノフィに対して152万4500株の第三者割当増資を行うことも決めた。発行期日は6月16日。サノフィは当該株式を引き受け、1株につき2894円、約44億円を支払うことになった。これによりサノフィは、北陸銀行と並んで日医工の第2位の株主となる。
サノフィグループのアジア・パシフィック担当シニア・バイスプレジデントのオリビエ・シャーメイユ氏は、新会社の設立によって、「急成長している日本の後発品市場で、当社のリーダーシップを強化し、確固たる地位を築く」とし、「経済性に優れた高品質な後発品の提供を目指し、政府の後発品使用促進策を推し進めたい」とコメント。日医工の田村社長は、「日本での当社の後発品の専門性と、サノフィ・アベンティスグループがグローバルで展開するリソースの統合について長期にわたる提携関係を結ぶことができ、大変満足している」とした。