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武田薬品・DPP-4阻害薬ネシーナ 6月中に発売

公開日時 2010/06/04 04:01

武田薬品は6月3日に開いたDPP-4阻害薬ネシーナ(一般名:アログリプチン)に関するセミナーで、同剤を6月中に発売すると発表した。6月11日に薬価収載される予定だが、発売日までは明らかにしていない。


同剤の特徴について、セミナーで講演した関西電力病院院長の清野裕氏は、▽DPP-4への高い選択性▽1日1回経口投与▽唯一、αグルコシダーゼ阻害薬(α-GI)との併用についての適応を持つ――の3点を挙げた。


清野氏はDPP-4阻害薬への選択性が高い一方で、DPP-8やDPP-9の阻害活性が低いとのデータを提示。動物実験で、DPP-8やDPP-9を阻害すると脱毛や死亡例が起きたことが報告されていることなどから「高い選択性のDPP-4阻害剤ということで安心して使える」と述べた。


ただし、SU薬と併用する際の低血糖には十分な注意が必要とした。SU薬との併用の有効性・安全性を検討した治験では、低血糖が3例(プラセボ投与例1例含む)で報告されている。ただ、重篤な症例はなく、いずれもSU薬を比較的高用量投与されていたという。アログリプチン+SU薬の適応については現在申請中。


◎市販後の安全性データ蓄積を 求められる適正使用


同剤は、日本人を対象としたフェーズ3試験を実施せずに適応を取得しているが、清野氏は「臨床試験のデータは限られた対象、限られた期間で行われている。データを(臨床現場での)効果にあてはめるということは非常に難しい」との見解を示し、臨床現場での適正使用を訴えた。


一方、同日のセミナーで講演した川崎医科大内科学教授の加来浩平氏は、同剤が「糖尿病治療薬で、我が国初の海外データを外挿した薬剤」とした。加来氏は、フェーズ3は長期間の安全性・有効性を検証できることなどから重要との見解を示した上で、試験を実施しても多くて数千例程度のエビデンスしか集積できないと指摘。「予期せぬ副作用は、10万例使用経験がないと報告されない」と述べ、臨床試験に限界があるとした。その上で、「市販後に、安全性データを蓄積することが必要」との見解を示した。

 

 

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