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新薬13成分31品目が11日薬価収載へ 注目の抗凝固薬、抗認知症薬2成分も

公開日時 2011/03/03 04:01

中医協の総会は3月2日、新薬13成分31品目を11日付で薬価収載することを了承した。この中には11年登場予定の注目の新薬の1つである抗凝固薬プラザキサ(一般名:ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩、日本ベーリンガーインゲルハイム)も収載されることになった。新規作用であることに加え、血液凝固能モニタリングが不要になるなど既存薬のワルファリンより有用性が高いと判断され、20%加算で算定された。また、これまで国内に1製品しかなかった抗認知症も今回2製品が登場することになった。

今回収載されたのは、一部を除き1月21日に承認された医薬品。収載予定13成分中、算定の根拠となる類似薬がないとして5製品が原価計算方式で算定され、2製品が既存薬より有効性が高いことが評価されて有用性加算を取得した。

薬価収載が了承された製品は次のとおり。
▽メマリー錠5mg、同10mg、同20mg(メマンチン塩酸塩、第一三共)効能・効果「中等度及び高度アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」
薬価5mg133.90円、10mg239.20円、20mg427.50円(いずれも1錠) (1日薬価427.50円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数40万人、販売金額471億円
加算なし

▽レミニール錠4mg、同8mg、同12mg、OD錠4mg、同8mg、同12mg、内用液4mg/mL(ガランタミン臭化水素酸塩、ヤンセンファーマ)「軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」
薬価4mg119.60円、8mg213.80円、12mg271.00円(いずれも1錠)、4mg/mL107.30円 (1日薬価427.60円)
市場予測(ピーク時9年後):28万1000人、328億円
加算なし

▽エディロールカプセル0.5μg、同0.75μg(エルデカシトール、中外製薬)「骨粗鬆症」
薬価0.5μg68.50円、0.75μg98.80円(いずれも1カプセル) (1日薬価98.80円)
市場予測(ピーク時10年後):142万人、357億円
加算の適用と理由:有用性加算2(10%)「国内第3相臨床試験において、同系統に対する非外傷性新規椎体骨折予防効果の優越性が示された」

▽プラザキサカプセル75mg、同110mg(ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩、日本ベーリンガーインゲルハイム)「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」
薬価75mg132.60円、110mg232.70円(いずれも1カプセル)
市場規模(ピーク時10年後):21.8万人、340億円
加算の適用と理由:原価計算方式(20%加算)「直接トロンビン阻害作用を有する初めての経口投与可能な薬剤であり、血液凝固能のモニタリングが不要になるなど、既存薬のワルファリンと比べて一定の有用性を有することが認められた」

▽フェブリク錠10mg、同20mg、同40mg(一般名:フェブキソスタット、帝人ファーマ):「痛風、高尿酸血症」
薬価10mg31.10円、20mg56.40円、40mg106.60円(いずれも1錠)
市場規模(ピーク時10年後):71.5万人、198億円
加算の適用と理由:原価計算方式(10%加算)既存薬のアロプリノールと違い「中等度までの腎機能低下患者において用量調節を行わずに投与てぎる点は、一定程度の革新性が期待できる」

▽シュアポスト錠0.25mg、同錠0.5mg(レパグリニド、大日本住友製薬)「2型糖尿病における食後血糖推移の改善」
薬価0.25mg32.50円、0.5mg57.80円(いずれも1錠) (1日薬価173.40円)
市場規模(ピーク時5年後):12万人、49億円
加算の適用と理由:有用性加算2(5%)「国内第3相臨床試験において、ナテグリニドと比較し、主要評価項目であるHbA1cの変化量について、有意な改善を示した」

▽アクレフ口腔粘膜吸収剤200μg、同400μg、同600μg、同800μg(フェンタニルクエン酸塩、田辺三菱製薬)「強オピオイド鎮痛剤を定時投与中のがん患者における突出痛の鎮痛」
薬価200μg951.10円、400μg1729.20円、600μg2179.30円、800μg2502.50円(いずれも1本)
市場規模(ピーク時4年後):5万人、26億円
加算の適用と理由:原価計算方式(加算なし)

▽アリクストラ皮下注5mg、同7.5mg(フォンダパリヌクス、グラクソ・スミスクライン):「急性肺血栓塞栓症及び急性深部静脈血栓症の治療」
薬価5mg3380円(0.4mL1筒)、7.5mg4423円(0.6mL1筒)
市場規模(ピーク時10年後):1万9200人、5.7億円
加算なし

▽ロミプレート皮下注250μg調製用(ロミプロスチム、協和発酵キリン):「慢性特発性血小板減少性紫斑病」
薬価250μg6万7972円(1瓶)
市場規模(ピーク時5年後):9000人、32億円
加算の適用と理由:原価計算方式(加算なし)

▽ステラーラ皮下注45mg(ウステキヌマブ遺伝子組換え、ヤンセンファーマ):「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症乾癬」
薬価45mg42万6552円(0.5mL1筒) (1日薬価5078円)
市場規模(ピーク時8年後):6000人、133億円
加算の適用と理由:加算なし

▽ビダーザ注射用100mg(アザシチジン、日本新薬):「骨髄異形成症候群」
薬価100mg4万9993円(1瓶)
市場規模(ピーク時6年後):1万9000人、52億円
加算の適用と理由:原価計算方式(20%加算)「海外第3相試験において、通常治療群ちと比較して有意な生存期間の延長が認められている」「本邦において高リスク及び低リスク患者に対する有用性があると判断された初めての医薬品である」

▽ オルベスコ100μgインヘラー56吸入用(シクレソニド、帝人ファーマ):「気管支喘息の小児用量」
薬価5.6mg3.3glキット1835.60円
市場規模(ピーク時10年後):5万3000人、8億円
加算の適用と理由:小児加算(10%)「最類似薬(シクレソニド)は小児加算を受けておらず、加算要件に合致する」

糖尿病治療薬ソニアス配合錠 14日処方制限から除外

▽ソニアス配合錠LD、同HD(ピオグリタゾン塩酸塩とグリメピリド、武田薬品):「2型糖尿病(ただし、ピオグリタゾン塩酸塩及びグリメピリド併用による治療が適切と判断された場合に限る)」
薬価LD1錠84.60円(1日薬価同じ)、HD1錠158.00円(1日薬価同じ)
市場規模(ピーク時6年後):35万人、131億円
加算なし
この製品は、新薬に通常課される1年間の14日処方制限から除外された。配合されている両成分が、配合剤の効能・効果、用法・用量とほぼ同じで、すでに1年以上の臨床使用経験があると判断されたため。

なお、今回の収載が見込まれていた痙性斜頸治療薬でB型ボツリヌス毒素製剤ナーブロック筋注2500単位は、収載されなかった。承認を取得したエーザイは2月28日、「供給元の製造委託先の供給体制が整わないことにより、本剤を安定的に入手することが困難と判断し、本剤を確実に安定供給できる体制が整備されるまで、薬価収載手続きおよび発売を見合わせることといたしました」と発表していた。
 

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