EMA FDAの協力を得て薬剤関連PML研究を推進
公開日時 2011/08/05 04:00
欧州医薬品庁(EMA)は、7月25-26日にロンドンのEMA本部で、米FDA(食品医薬品局)の協力を得て、今後、薬剤によって誘発される薬剤関連PML(進行性多巣性白質脳症)の研究を推進、同患者を減らすための対策などを検討することを目的として、共通認識を醸成するため2日間にわたるワークショップを開催した。PMLの専門医、研究者、研究財団、患者、医薬品業界代表など関係者ら170人が参集した。
PMLは希な疾患でJCウイルスが原因で脳の白質が進行的に障害され、場合によっては致命的となる。PMLは免疫抑制剤、抗がん剤など免疫機能に影響を与える薬剤により副作用として発現する場合がまれにある。しかし、このようなPML関連薬剤は多数の患者にベネフィットをもたらせているため、どのような患者がPMLのリスクを持っているのか把握し、未然に防ぐことが、PMLの早期診断・早期治療と共に重要な課題となっている。このような実態を背景に、EMAとFDAは、PML関連薬剤の規制上の問題についての共通認識を持つと同時に患者の保護の観点から、薬剤関連PMLの研究を推進することを決めた。
今回のワークショップはPMLに焦点を絞ったものだったが、PML関連薬剤の研究の必要性についての啓蒙・啓発の方法、研究協力の仕方などは、今後、他の薬剤誘発疾患にも役立つ「ひな形」になると位置づけられている。