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生ポリオワクチンの接種控えを感じる医師 4割弱に メドピア調査

公開日時 2011/10/03 04:00

医師限定コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピアはこのほど、定期予防接種のワクチンとして導入されている生ポリオ(急性灰白髄炎=小児まひ)ワクチンに対する保護者の接種控えなどについて調べた結果をまとめた。4割弱の医師が生ポリオワクチンについて、「接種控えが起きていると感じている」と回答。一方で、早ければ来年にも上市が期待される不活化ポリオワクチンに対し、保護者から「迅速な導入を希望する」といった声が多数あったことを報告している。MedPeer会員医師は約3万8000人。

調査は11年9月5日~12日にかけて実施した。有効回答数は433件。調査は小児科、小児外科、産婦人科、健診・予防医学、感染症科、家庭医療の医師を対象に実施した。

調査結果によると、「生ポリオワクチンの接種控えが起きていると感じている」との回答は全体の37%を占めた。また、現在導入されている生ポリオワクチンに対し、「保護者の信頼は薄れてきている」と回答した医師が49%にのぼった。特にこの調査結果を関東地域の1都3県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)と「それ以外の地域」に分けてみると、65%の医師が「保護者の信頼は薄れてきている」と回答し、都市部と地方では保護者の意識に差があることが浮き彫りになった。自由回答では「生ワクチンイコール危険という言い方をする患者も多い」(40代、小児科医)、「不活化ポリオワクチン導入まで待つ保護者の数は増えてきている」(50代、家庭医療)といったコメントが目立ったという。

◎接種控えによるリスクに懸念も

一方で、52%の医師は接種控えによる2次感染リスクに対して「懸念する」と回答していることも分った。自由意見では「接種を控えている保護者の乳幼児でワクチン接種がなくなると、小児まひの感染の拡大の増大が懸念される。早急に公費による助成策を進めてほしい」(70代、小児科医)といった意見の半面、「他のワクチンと比較して、生ポリオワクチンの危険性が特に高いわけでもないのに、接種を控える傾向は問題」(40代、小児科医)、と保護者が過度に警戒し過ぎることのリスクを指摘する意見もあったという。そのうえで、「医師だけでは情報の周知は難しい。父母等へのアナウンス等、行政の適切な指導を期待する」(40代、小児科医)など行政への対応を求める意見も目立った。

ポリオは別名「小児まひ」と呼ばれ、ポリオウイルスが脊髄の一部に入り、熱を伴うかぜのような症状から、足腰の痛み、そして手や足の麻痺が現れ、生涯にわたり運動障害が残ることの多い病気。日本医師会によると、1981年以来日本ではポリオ患者の発生はないが、その一方で、ポリオワクチンによるまひ例 が日本では約440万回接種あたり1件(数年間に1件)発生しているという。現在国内では、これらの極めてまれなポリオの副反応を少なくするため、新しいワクチン(不活化ワクチン)の開発が進行中。

 

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