武田薬品 米バイオベンチャーを約148億円で買収へ がん領域の2つの開発品を獲得
公開日時 2011/12/22 04:00
武田薬品は12月21日、がんや炎症性疾患の創薬バイオベンチャーの米インテリキン社(本社:カルフォルニア州)を買収することで合意したと発表した。買収額は約148億円(1億9000万ドル)。がん領域の2つの開発品を獲得(いずれもフェーズ1の段階)することにより、同領域の強化を図る。これらの開発は武田のグローバルながん戦略、開発を統括するミレニアム社が行う方針で、開発の進展に伴い、将来開発マイルストンとして最大約94億円(1億2000万ドル)を支払う計画。
インテリキン社はmTORおよびPI3Kシグナル伝達経路を標的とした低分子化合物の創製、開発に特化したベンチャー。従業員数は36人で非上場企業。設立から4年と歴史は浅いが、この間、がん領域における3つの化合物の臨床開発に着手(うち1化合物[PIK阻害薬]は既に他社と導出契約を締結)するなど、キナーゼ(酵素)研究分野における創薬研究力を有している。
獲得した2つの化合物は、固形がんでフェーズ1を進行中の「INK1117」と、固形がんと血液がんでフェーズ1を進行中の「INK128」。後者は最も開発が進んでおり、2012年中にフェーズ2を開始する見込み。
現在ミレニアム社では多発性骨髄腫治療薬ベルケイドの後継品を筆頭に、血液がん、固形がん(卵巣がんや膵がん、肺がんなど)において新規機序の開発品を含む臨床開発を進行中だが、新たに2つの化合物が加わることで、さらにがん領域のパイプラインの強化を図る。