製薬業界 バイオシミラーガイダンスを歓迎
公開日時 2012/03/08 04:00
米食品医薬品局(FDA)が発表したバイオシミラー(バイオ後続品:BS)のガイダンスは、米国のバイオ・医薬品業界からは一般的に、厳格だが柔軟な対応をする姿勢を示していると好感をもって受け入れられているようだ。
メルク・バイオベンチャーズのMichael Kamrak社長は「ガイダンスは我々が期待していたものに合致し、FDAが何年もまえから示していた内容にも一致する」と満足の様子。そのうえで、「高い科学的なハードルはメルクのアプローチにも一致する。患者や医師に安全で有効な薬剤を保証しようと思うなら高いハードルは大いに結構」と同社は高いハードルに対応可能の自信を示した。
ホスピラのSumant Ramachandra上級副社長(R&D担当)は、「ガイダンスがこのまま最終案になれば、我々の事業は軌道に乗る」と同ガイダンス施行を想定し、事業を準備してきたことを明かす。
ホスピラは、1月末米国でエリスロポエチン(EPO)製剤のBSについてフェーズIII試験を開始したと発表。同社は現在パイプラインにBS11剤を持っている。そのうち、EPOは欧州で承認済み、またEPOとフィルグラスチムはオーストラリアで承認済み。
メルク・バイオベンチャーズは、アムジェン/ファイザーのエンブレル(エタネルセプト)のBSの権利を韓国のHanwha Chemical Corpから昨年、取得、開発を進めている。取得した時点でフェーズIII。FDAは、ガイダンスでは、先発品(参照品)との生物的類似性(シミラリィティ)を示しエビデンスを形成するためには「段階的アプローチ」を推奨、生物的類似性を評価するには、「エビデンス全体」で評価すると説明している。
しかし、一部には、FDAの姿勢は、現在の生物製剤評価体系のなかにBSを位置づけており、保守的なガイダンスになっているとの意見も示されている。FDAは、最近、35件の治験前相談の要請を受け、そのうちすでに21件の相談を持ち、9件は治験申請を受け取ったことを明らかにした。FDAでは、9月には初のBSの販売承認申請を受けることになると見ている。
(The Pink Sheet 2月13日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから