EMA Gilenyaの副作用で心臓監視を勧告
公開日時 2012/05/15 04:00
欧州医薬品庁(EMA)は4月20日、ノバルティスの多発性硬化症(MS)治療薬Gilenya(fingolimod)の服用者で徐脈などの心血管系の副作用や死亡例が報告されたことを受け、医療関係者および患者に向けて、心血管系副作用を回避するために心臓機能の監視を強化することを勧告した。
EMAのCHMP(ヒト医薬品委員会)は、医療関係者に対しては、心血管あるいは脳血管疾患の病歴のある患者もしくは心拍を低下させる薬剤を服用している患者にはGilenyaを処方しないようもとめた。しかし、これら患者に同剤が必要と考えられる場合は、初回投与から少なくとも一晩は心臓の監視を行い、医師は適切な監視について専門医のアドバイスを受けるべきとした。
CHMPは、患者に対しては、Gilenyaによる治療を開始する場合には、初回投与前に心機能を監視し、服用後6時間は監視を継続することを求めた。また、徐脈や房室ブロックなど心臓障害を発症した患者は、少なくとも一晩、その障害がなくなるまで監視することを求めた。
CHMPでは、同剤の特徴、同剤の問題点、CHMPのデータ見直し、医療従事者・患者への勧告などについてQ&A形式でまとめ、WEBで情報提供している。
なお、国内では、同剤は、2011年11月から、ノバルティスが「ジレニア」、田辺三菱製薬が「イムセラ」のブランド名で販売している。