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KRAS変異非小細胞肺がん MEK阻害剤selumetinib  ドセタキセルとの併用二次療法でPFSを有意に延長

公開日時 2012/06/14 04:01

経口MEK阻害剤・selumetinibとドセタキセルの併用で、一次治療に失敗したKRAS変異を有する非小細胞肺がん(NSCLC)の無病生存期間が3カ月以上延長することが分かった。無作為化臨床試験(RCT)で、KRAS変異NSCLCに対する臨床ベネフィットが初めて示されたのは初めて。無作為化二重盲検プラセボ対照臨床第2相多施設共同試験NCT00890825の結果から示された。6月1~5日まで米国・シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO2012)で、Dana-Faber Cancer InstituteのPasi A. Janne氏が、6月4日に開かれたOral Abstract Sessionで発表した。


KRAS変異は、欧米人における非小細胞肺がん(NSCLC)の遺伝子変異の20~25%を占めるとされている。一方で、EGFR-TKIなどの治療に反応せず、化学療法の有効性も低い可能性が指摘されており、標準治療がないのが現状だ。


Selumetinibは、NSCLCの二次治療において単剤で臨床活性を示しているほか、KRAS変異モデルでは、ドセタキセルとの併用で腫瘍退縮を認めている。


Janne氏らは、これらの知見を踏まえて同試験を実施した。主な登録基準は、▽局所進行/転移NSCLC(ステージIIIB-V)▽一次治療失敗▽KRAS変異が確認されている腫瘍▽WHO PS 0-1――で、症候性脳転移は除外した


日本を除く12カ国67施設から422例が登録された。


KRAS変異なし/不明などの症例を除外し、①selumetinib+ドセタキセル併用群44例(以下、selumetinib群)②プラセボ+ドセタキセル群43例(以下、プラセボ群)――の2群に分け、治療効果を比較した。
selumetinibは、 75mg1日2回投与したほか、ドセタキセルは両群ともに 21日毎に75mg/m2投与した。主要評価項目は全生存期間(OS)。なお、同試験は患者登録完了後にサンプルサイズを変更することなく、主要評価項目をPFSからOSヘと変更している。


患者背景は、両群に大きな差はみられなかった。追跡期間(中央値)は、7.2カ月。この時点で、selumetinib群で29例/43例、プラセボ群で27例/40例、計56/83例が死亡していた。なお、解析は58イベント発生後に計画され、ハザード比(HR)0.57, 一方向10%の有意差をとらえるためのパワーは80%と規定した。


◎selumetinib投与で奏効率は37.2% PRも18例


その結果、主要評価項目のOS(中央値)は、プラセボ群で5.2カ月、selumetinib群では9.4カ月で、両群間に差はみられなかった(ハザード比:0.80[80%CI;0.56-1.14] 1方向p=0.2069)だった。


PFS(中央値)はプラセボ群で2.1カ月、selumetinib群で5.3カ月で、selumetinib群で有意に延長した(ハザード比:0.58、[80%CI;0.42-0.79]; 1方向p=0.0138)。イベントは、selumetinib群で35例/43例、プラセボ群36例/40例発生していた。


奏効率は、selumetinib群では37.2%で、プラセボ群の0%と比べ、有意に高かった(p<0.0001)。selumetinib群では、PR(部分寛解)が18例、奏効期間(中央値)は182日だった。24週以上のSD(不変)は、selumetinib群で44.2%(19例)、プラセボ群で50%(20例)、PD(進行)はselumetinib群で18.8%(8例)、プラセボ群で45.0%(18例)だった。


有害事象は、selumetinib群で59.1%(26例)、プラセボ群で31.0%(13例)に発生した。減量(34% vs 0%)や休止(45.5% vs 9.5%)を要する有害事象もselumetinib群で多かった。ただし、投与中止を余儀なくされた有害事象の頻度は、同等だった。


selumetinibの併用によって増加した有害事象は、非血液毒性では末梢浮腫、ざ瘡様皮疹など。血液毒性では発熱性好中球減少が増加した。


Janne氏は、「前向きに実施されたRCTで、KRAS変異NSCLCに対する臨床ベネフィットが初めて示された」と同試験の意義を強調した。


その上で、投与順が臨床活性に影響を与える可能性を示唆したほか、がん抑制遺伝子(LKB1、p53)の欠損が治療効果に与える影響を指摘。「これらの点も考慮して、selumetinib群のドセタキセルの併用、あるいは他の化学療法との併用について、さらに検討すべきだ」との見解を示した。


 

 


 

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