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FDA ジェネンテックの乳がん治療薬T-DM1を承認

公開日時 2013/02/26 04:00

米食品医薬品局(FDA)は2月22日、米ジェネンテック(本社:カリフォルニア州サウスサンフランシスコス、スイス・ロシュ子会社)の乳がん治療薬Kadcyla(トラスツズマブ エムタンシン、T-DM1)を承認した。


Kadcylaの適応は、HER2遺伝子陽性の後期段階(転移)乳がん患者で、前治療としてトラスツズマブおよびタキサンによる化学療法を受けた患者。同じジェネンテクの乳がん治療薬ハーセプチン(トラスツズマブ)と化学療法剤エムタンシンをリンカーにより結合させ、HER2を標的とし、トラスツズマブのHER2シグナル伝達阻害作用および抗体依存性細胞障害作用と同時にエムタンシンをがん細胞に送り込む。


同剤の安全性・有効性は、991例の転移乳がん患者を対象とした臨床試験で、同剤投与群と抗がん剤ラパチニブ/カペシタビン併用群を比較して検証された。
同剤投与群では、無増悪生存期間(PFS)が、ラパチニブ/カペシタビン併用群の6.4カ月(中央値)に対し、9.6カ月(中央値)まで延長した。また、全生存期間(OS)は、併用群の25.1カ月(中央値)に対し、同剤投与群では30.9カ月(中央値)となった。同剤はFDAの優先審査の指定を受けていた。


FDA医薬品評価研究センター(CDER)のRichard Pazdur血液学・腫瘍学製品部長は、「Kadcylaは、がん細胞の成長に干渉するDM-1と呼ばれる薬剤をトラスツズマブに結合させたもの。HER2タンパクを標的としたFDA承認の4番目の薬剤だ」とコメントした。HER2タンパクを標的とした薬剤でFDAが承認した薬剤は、1998年のトラスツズマブ(ジェネンテック社)、2007年のラパチニブ(英 グラクソ・スミスクライン)、2012年のペルツズマブ(ジェネンテック)がある。


同剤のラベルには、枠組み警告として、肝毒性、心毒性を引き起こす可能性が記載された。また、同剤を婦人に投与する場合、生命を脅かす先天異常を起こす可能性があるので、服用開始時には妊娠の有無の確認が必要となっている。


主な副作用は、悪心、疲労感、筋肉・関節痛、血小板減少症、肝酵素増加、頭痛、便秘など。
米国では、女性のがんによる死亡原因の第2位が乳がん。NCI(国立がん研究所)によれば、米国では2013年に232340人が乳がんと診断され、39620人が乳、がんが原因で死亡すると予測されている。乳がん患者の20%でHER2タンパクの増加が見られる。

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