EMA 2012年の年次報告書を公表
公開日時 2013/04/24 05:00
欧州医薬品庁(EMA)は4月16日、「2012年 年次報告書」(Annual Report 2012)を公表した。同報告書は、2012年のEMAにおけるヒト医薬品などの承認申請状況、同年の特徴、医薬品における科学的進展状況などについて概説している。
同報告書によると、2012年のEMAAnnual Report (CHMP)が受理した新医薬品の販売承認申請(MAA)は96件で、うち59件に肯定的見解(承認勧告)を付与した。
また、同承認申請のうち、希少疾病薬の指定を受けた薬剤のMAAは、2012年には前年比36%増の19件となった。EMAは、希少疾病薬指定の承認申請薬剤が増加したことについて、希少疾病薬の開発を重点的に推進しているEMAの政策に沿ったものとして歓迎している。
新薬を含めた全体の希少疾病薬の指定は増加傾向を辿っており、2011年は107件、2012年は148件で、2013年は150件以上になると見込まれている。EMAは、希少疾病薬について注目されるのは、希少疾病薬の指定で肯定的見解を付与された薬剤の72%は小児用薬剤であることだとしている。
EMAは、2012年に特徴的なこととして、EMAによって指定された中小医薬品企業による医薬品申請が増加したことに言及している。EMA指定の中小企業数は、前年比58%増の1098社となった。2012年の新薬申請の約30%はこれら中小企業によるものだ。さらに特筆すべきは、2011年の希少疾病薬の申請の27%は、これら中小企業により行われていたが、2012年にはこれが68%へと急増していることだ。
さらに、承認申請前に科学的アドバイス(事前相談)を求めた中小企業の比率は、2011年の41%から2012年には64% へと急増した。
同報告書は、「2012年EMAの特徴:変化の年」(Agency highlights in 2012: a year of change)、「2012年の公衆衛生と動物衛生の進歩:科学‐医薬品‐保健」(Advancing public and animal health in 2012:Science-Medicines-Health)、「2012年の重要な勧告」(Significant recommendation in 2012)、「2012年の主要データ」(Key figures in 2012)の4部構成で、A4判52ページ。