MSD HIV-1感染症に対するドラビリン/イスラトラビル配合錠を承認申請 1日1回経口投与で開発
公開日時 2025/07/15 04:49
MSDは7月11日、HIV-1感染症を対象疾患とするNNRTI・ドラビリンとNRTTI・イスラトラビルとの2剤配合錠を承認申請したと発表した。1日1回の経口投与で開発したもの。
ドラビリンは非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)。HIV-1逆転写酵素を非競合的に阻害することにより、HIV-1の複製を阻害する。国内では2020年1月に、製品名・ピフェルトロとして、HIV-1感染症の効能・効果で承認されている。
イスラトラビル(開発コード:MK-8591)は、MSDが開発中のヌクレオシド系逆転写酵素トランスロケーション阻害薬(NRTTI)。即座にDNA鎖伸長反応を停止する逆転写酵素トランスロケーション阻害作用や、ウイルスDNAで誘発される構造変化による遅延性のチェーンターミネーションなどの複数の機序によりHIV-1の複製を阻害する。他の抗レトロウイルス薬との併用によるHIV-1感染症治療薬として、1日1回投与および週1回投与のさまざまな投与オプションの可能性を評価する複数の早期・後期臨床試験を実施している。
今回の申請は、ドラビリン/イスラトラビルの2剤配合錠の有効性および安全性を評価した2つの国際共同第3相検証的試験(MK-8591A-051、-052試験)の結果に基づく。ウイルス学的抑制が得られているHIV-1感染症成人患者を対象とした両試験において、ドラビリン/イスラトラビルの有効性は、対照とした抗レトロウイルス療法に対して非劣性を示した。安全性プロファイルは同様だった。
HIV感染症の治療は、原則として血中のウイルス量を検出限界以下に抑え続けることを目標に行われ、適切な抗HIV薬を継続して服用することが必要となる。しかし、抗HIV療法によって予後が改善し、治療が長期化することに伴い、さまざまな合併症が新たな問題となっている。そのため、1人ひとりの健康上のニーズに対応できる幅広い選択肢が求められている。