日本セルヴィエ IDH1阻害薬・ティブソボ錠で胆道がんの適応追加を一変申請
公開日時 2025/07/04 04:48
日本セルヴィエは6月30日、IDH1阻害薬・ティブソボ錠(一般名:イボシデニブ)について、がん化学療法後に増悪したIDH1遺伝子変異陽性の治癒切除不能な胆道がんを対象疾患に一変申請したと発表した。同社は、2025年~26年の2年間は6カ月おきに1つのペースで承認取得していく計画を掲げており、ティブソボの胆道がんの適応追加もこの計画に含まれている。
今回の一変申請は、IDH1遺伝子変異陽性で既治療の切除不能又は転移性の胆管がん患者を対象として有効性及び安全性を検証した海外第3相試験(AG120-C-005(ClarIDHy)試験)と、IDH1遺伝子変異陽性で既治療の切除不能又は転移性の胆道がん日本人患者を対象に有効性及び安全性を評価した国内第2相試験(CL2-95031-008試験)の結果に基づく。
このうち海外第3相試験では、被験者をティブソボ群又はプラセボ群に2:1の割合で無作為に割り付け、ティブソボ錠500mg又はプラセボを1日1回投与した。RECISTver.1.1に基づく画像評価により進行が認められた場合は、プラセボからティブソボへのクロスオーバーが認められた。主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)は、ティブソボ群はプラセボ群と比較して有意な改善を確認(ハザード比(HR)0.37、95%信頼区間(CI):0.25~0.54、p<0.0001)。副次評価項目の全生存期間(OS)は、プラセボからティブソボへのクロスオーバーを調整済みのOSにおいて、統計学的に有意な改善が示された(HR0.49、95%CI:0.34~0.70、p<0.0001)。
同社のアントニー・マレ代表取締役は、胆道がんの2次治療に関し、「生存期間の延長効果が明確に示された標準治療は確立されておらず、いくつかの分子標的薬が承認されているものの、胆道がんを対象としてIDH1遺伝子変異を標的とする薬剤は国内で承認されていない」と指摘。その上で、「私たちは、IDH1遺伝子変異陽性の胆道がん患者さんに1日も早く新たな治療選択肢をお届けできるよう、全力で取り組む」とコメントした。
ティブソボは、変異型イソクエン酸脱水素酵素1(IDH1)を選択的に阻害する分子標的薬。変異型IDH1の酵素活性を阻害することで、腫瘍細胞におけるがん代謝物である2-ヒドロキシグルタル酸(2-HG)の産生を抑え、IDH1遺伝子変異陽性の腫瘍細胞の分化を誘導することにより、腫瘍の増殖を抑制する。今年3月には日本でIDH1遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病を効能・効果に承認を取得し、6月2日に発売した。